切なさを抱きしめて…[Yuta.K]② (ページ43)

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廉くんが岸くんを呼びに行った後も

何から話していいか分からず

さっきから部屋の中をウロウロする私。

ｰｰガチャ

うそ、もう来ちゃった？

優｢紫耀、来たぞー！

…って、 Aちゃん？

え、なんでここにいんの？

あれ、紫耀は？｣

どうやら岸くんは何も聞いていないらしい。

『さっきまで廉くんと話してて、

岸くんを呼びに行ってもらってたの。

その…

紫耀くんは来てないけど。』

優｢まじかっ、廉にやられたわ。｣

『なんか、ごめんね？』

優｢いや、全然！

それは、うん。大丈夫！

とりあえず、座る？｣

『うん、そーする。』

椅子に座ったまま無言の状態が続く。

ちゃんと話さなきゃって

頭では分かっていても

実際にそれをするとなると難しい。

でも、

廉くんやじんくんに背中を押してもらって

ちゃんと岸くんに返事をするって、

もう逃げないって、

そう決めたんだから頑張らなきゃ…。

『あのねっ、

今日は… その… お返事を言おうと思って。』

私がそう言うと

一瞬、岸くんの眉間にシワがよった気がした。

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