切なさを抱きしめて…[Yuta.K]② (ページ15)

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店の外に出て一度深呼吸をしてから

応答ボタンを押す。

『もし… もし。』

優｢Aちゃん？｣

『うん、そうだよ。』

優｢良かった、出てくれないかと思った。｣

『ごめん。』

優｢なんで謝んの？

俺、来てくれて嬉しかったよ。｣

ねぇ、なんで岸くんはそんなに優しいの？

私ずっと返事してなかったじゃん。

優｢もう、帰っちゃった？｣

『ううん、

近くのファミレスで友達とご飯食べてる。』

優｢そっか。

今日、友達の家に泊まったりする？｣

『いや、普通に家に帰るよ。』

優｢じゃあさ、このあと会えない？

俺、廉の車で送ってもらう予定だから

Aちゃんも乗っていきなよ。｣

『いや、それは廉くんに申し訳ないよ…』

廉｢俺は全然ウェルカムやで～！｣

『え、廉くん？』

廉｢おん。

Aちゃん、優太に会ってやってくれへん？

こいつ、最近元気なくて気持ち悪いねん。｣

廉くん、それ本当なの？

優｢お前、余計なこと言うなって！

Aちゃん！

ここら辺のファミレスってジョナサンだよな？

今から廉とそっち向かうから、

友達には適当に話つけといてね！

じゃ！｣

そう言って岸くんは電話を切ってしまった。

どうするか迷ったけど、

廉くんに背中を押されたのもあって

私は岸くんに会うことにした。

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