切なさを抱きしめて…[Yuta.K]② (ページ17)

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車が走り出してもうどれくらい経つだろう。

岸くんと私はずっと無言のまま。

運転している廉くんの方がソワソワして

時折、ミラー越しに目が合う。

すると、岸くんがやっと口を開いた。

優｢久しぶりだね。｣

『うん、返事返さなくてごめんね？』

優｢俺、なんかした？｣

『ううん、何もしてないよ。』

優｢じゃあなんで…｣

『岸くんが毎回ちゃんと返してくれるから。』

廉｢それってどういうこと？｣

『岸くん優しいからさ、

お仕事忙しくても返事返してくれるでしょ？

なんか申し訳なくなっちゃって…』

優｢へ、そんなこと？｣

廉｢やから言ったやろ？

Aちゃんなりの考えがあるだけやって。｣

『廉くんにそんなこと言われてたの？』

優｢うん…、

でも俺、連絡先交換する時に言ったよね？

遠慮しなくていいよって。

俺はAちゃんから連絡がくるのを

迷惑だなんて思ってない。

むしろ嬉しいし元気が湧いてくるんだよ？｣

廉｢優太、Aちゃんに返事返す時な

めっちゃニヤニヤしてんねん(笑)｣

優｢はぁ、廉は余計なこと言うなよ…。｣

『ふふっ(笑)

分かった、これからはちゃんと返すね？』

優太｢おうっ、｣

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