キスしなきゃ出られない部屋 ―KP― (ページ13)

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神宮寺 × 髙橋ページ13

神宮寺side

「なにこれ」

扉に貼られた紙に書いてある言葉を見て、思わず声を上げた。それを聞いた海人も同じものを見ると、「ん？」と首をかしげる。

「キスしないと開かないって、え、どういうこと？」

「そのままの意味じゃないの？」

「えー、嘘だぁ」

海人が扉を開こうとドアノブに手をかけるけど、どうやら開かないらしい。ガチャガチャと虚しい音が響くだけ。

「ねえジン開かない」

助けを求めるように海人がこっちを見てくるので俺も試してみたけど、やっぱり開かなかった。

「うわ、俺ら閉じ込められてるじゃん！」

「ちょっ、そういうのマジ無理！」

海人が抱きついてきた。自然な甘え方がプロすぎる。

「でも、キスしたらいいんでしょ？」

そう言うと、海人がただでさえ大きな瞳をさらに大きく開いた。

「マジでぇ？なんか恥ずかしいんだけど～」

「じゃあやめますか」

「え、待ってそんなすぐ諦めちゃう！？」

口に手を当てて驚く海人。まんざらでもなさそう。

まあ、別に俺も抵抗ないしなー。メンバーだし。

唇を隠していたその手を引くと、海人の肩がビクッと揺れた。

「わかったよ。しよう？閉じ込められたままじゃ困るしさ」

「あ、うん、まあっ、そうだねっ」

目の前の瞳がキョロキョロし出す。

自分から煽ったくせにいざそうなると照れちゃって、そういう純粋なところが可愛いなあと思う。

俺が顔を近づけていくと、海人はぎゅっと目を瞑った。その緊張をほぐすように、柔らかい唇にそっとキスをした。

「……っあー、バチボコ緊張したわぁ」

「メンバーとキスくらいで、今さらそんなに緊張する？」

「ジンのキスってなんか、いやらしそうじゃん」

「それ絶対スケベそうなジュニアV6のイメージでしょ……」

まったく嬉しくないんだけど、海人が楽しそうに笑っているからまあいいか。

二人で部屋を出ながらそんなことを思っちゃう俺も、最近どんどん末っ子に弱くなってるな。

―END―