ep.9-2 独占欲 ページ22
「いつもは1人で寝てたので、意外と狭いって気づきませんでしたね」
「Aは小さいしな、余計だろ」
「むっ…キバナさんが大きいんですよ」
頭をポンポンと叩かれ、頬をふくらませるA。
そんなAにキバナはほんの一瞬その手を止めるも、今度はその手を両頬へと移し。
「…いひゃいへふ」
「何言ってるかわかんねぇなぁ？」
Aの頬は両側へと伸ばされていた。
力としては強くないためそんなに痛くはないのだが、反射的にAがそう言うと、キバナは楽しそうに頬をフニフニと掴み遊び始めた。
ーーSide.Kーー
大人しく頬を弄ばれるA。
頭を撫でたついでに始めたそれは、思いのほか楽しくて手がとめられなくなっていた。
ーーなんだかんだ、拒否しねぇんだな。
てっきり、また照れて止められると思っていたのに、予想していた反応とは反して大人しくしている。
それはそれで反応としてはつまらないのであるが、自分の気持ちを自覚してしまった今、止めるのも勿体なく感じていた。
先程も言ったが、本当にAは小さい。
こんな少女が本当にガラルの新しいチャンピオンなのかと疑いたくなるが、Aの実力は本物だ。
その彼女が、自分のダブルバトルに対してあのべた褒めよう。
嬉しくないわけがなかった。
それに、先程のトレーニングを始める時のAのあの顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
無邪気に笑うあの顔とのギャップが、ヤバすぎる。
「…ずるいのはどっちなんだか」
「…？」
唐突に呟いた俺の言葉に、不思議がるA。
あどけない18の少女と、最強を誇るチャンピオンの少女。
世間が知っているのは、真面目で強いAだ。
果たして、こんな風にAが可愛いと知るのは何人いるのだろうか。
いや、出来るのであれば、知られたくない。
ーーこんな、独占欲が湧くなんて。
自覚したら止まるわけもなかった。
それどころか、どんどんと欲が溢れ出してくる。
他の奴には知られたくない、自分だけがもっと知りたい。
ライバルとして隣にいたホップは、果たしてどこまで知っているんだろうか。
「…きはなひゃん？」
「おー、悪ぃ」
気づけばずっと頬を触っていた。
Aに呼ばれる声で手を離せば、なんでもなかったように笑ってみせる。
できることなら、まだこの独占欲は知らないままでいて欲しい。
だけどいつか。
ーー俺のモノにしてやる。
そう、心の中にそっと誓った。
ーーSide.K ENDーー
．
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真希(プロフ) - 匿名さん» ご指摘ありがとうございます、よくよく見てたら１箇所完全に誤字してましたね…； 他の箇所は恐らく大丈夫かと思いますので…教えていただきありがとうございました！ (2019年12月27日 19時) (
レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - アラベスクタウンのジムリーダーはポプリさんではなくポプラさんですよ…(小声) (2019年12月27日 15時) (レス) id: 99879ec7c1 (このIDを非表示/違反報告)
真希(プロフ) - 山葵さん» こちらにまでコメントいただいてめちゃくちゃ嬉しいです…！(；▽；) 頑張って書き上げますので、もう暫くお付き合いいただけると嬉しいです！ (2019年12月18日 2時) (レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
山葵(プロフ) - 真希さんの書くキバナさん、ほんとに好きです…！！！！頑張って下さい！！！ (2019年12月17日 23時) (レス) id: 40ec5f6136 (このIDを非表示/違反報告)
真希(プロフ) - ハイサネさん» コメントありがとうございました！バトル風景書いたの初めてだったので、きちんと伝わっててほっとしてます…！応援もありがとうございます、とっても励みになります！ (2019年12月17日 19時) (レス) id: c3944fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真希 | 作成日時：2019年12月6日 2時
