ifの話ーKPー (ページ43)

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４. ページ43

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カシャカシャと何枚か連写し、カメラロールを確認する。なかなかいい感じ。

……よし、そろそろいいかな！

「ねえ廉、虹ってどんな意味があるか知ってる？」

スマホをしまい、なんとなく聞いてみた。

まあ、俺が意味を知ってるから聞いているんだけどね。

俺の質問に廉は一瞬眉をひそめるも、深く考えてはいないんだろう、すぐに答えた。

「あー、雨が止んだって意味やろ？」

マジでなんにも考えてない！テキトーすぎる！

これは俺が教えてあげるしかない。

「違うよ！虹はね、幸福の前触れなの。止まない雨がないように、悲しいこともいつか終わって、虹みたいな希望の光が差すってことなんだよ。そういうスピリチュアルな意味」

ダラダラと長文を語り、ふう、と一息つく。

ところがどっこい、廉にはあまり響いていないらしい。

「おお……、ポエマーやな」

こいつまた変なこと言ってんな、みたいな苦い顔をされた。

いや俺、今めちゃくちゃいいこと言ったからね！？

「ていうか、スピリチュアルってなんなん？」

さらに力説してやろうかと思っていたら、真顔で尋ねられた。

え、そっちが気になるの？

でも大丈夫。かっこいい英語に最近ハマってるから、和訳もちゃんと調べてるんだよ！

「精神的な！」

「あ、そう。まあそれはどうでもええねんけど」

「廉から聞いたんじゃん！」

「がはははっ」

俺の食い気味な言葉に廉が楽しそうに笑う。

現実の天気が晴れだろうと雨だろうと、俺には関係ない。

廉がこうして隣で笑ってくれている限り、俺の世界にはずっと、大きな虹が架かっているんだから。

……うん、やっぱり俺、さすがポエマー！

―END―

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