ifの話ーKPー (ページ22)

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予想外の言葉に固まる俺の前にいる玄樹は、頬も耳もますます濃いピンクになっていく。

それを見てやっと、ほんまに想ってくれてるんやって伝わってきて。

ジンとばかり話すのも、目をすぐ逸らすのも。

俺にどう接したらいいか戸惑っていただけなのかもしれへんと思った。……俺と同じように。

「え、廉、」

気づけば俺はその体を抱きしめてた。

玄樹の求める「なに」を、したつもり。

「ッ、見られちゃうよ……？」

「ごめん。ちょっとだけやから」

俺はずっと、この温もりが欲しくて、でもどうしたらええかわからんかった。

……こうやって、ただ素直になればよかっただけなのに。いろいろ考えすぎてた。

「……好きやで」

こそっと呟いた後、なんか急激に恥ずかしくなった。

やっぱ素直になるとか無理！

「よしっ、これでええな！」

恥ずかしさに耐え切れず、パッと腕を解く。今の俺にはこれが限界っす……。

そんな俺に玄樹がこくんと頷くしぐさがかわいい。

でも安心してはいられへんかった。

「……ねえ、さっきなんて言った？聞こえなかったんだけど」

「これでええな？」

「違う、その1個前」

1個前って、それは……。

何度も言えるわけないやん！

「は、いや、聞こえとるやろ！」

「えー、わかんないな？」

未だ少し火照ったその顔がにこっと笑う。

……小悪魔。

「絶対聞こえとるやん！」

「そんなに言いたくない？」

「いや、まぁ、おん……」

やべえ押されとる。

ゆっくりと詰め寄ってくる玄樹からの逃げ道を探っていると、奥でこっちに手を振る優太が見えた。

…