君がいたから

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『…あ、もう日付変わりますね、私そろそろ帰ろうかな』



深「あ、ほんとだ。なんかあっという間だったな」




『じゃあ、お先に失礼します』



深「あ、俺払います」



『えっ？いや、大丈夫です！！』



深「俺が勝手に話しかけちゃって
べらべら喋り続けちゃったから…！
お礼です。楽しかった」




『や、でもそれは悪いんでほんとに…』




深「じゃあ今日は俺が払うんで、

また会えたらその時は割り勘にしましょ」




『……いいんですか？』





深「マスター、これで」





『すみません…ほんとに、ご馳走様ですっ』



すごい恐縮そうにしてる

そりゃそうだよな、突然現れて話かけてきたやつに
奢られるんだもんな



『ここにはよく来ますか？』




深「いや、今日が初めて」




『あ、そうなんですね、さっきまた会えたらって
おっしゃったんでよく来るならまた会えるかな、って』





よく行くのは駅前のおっさんたちが
集まるような居酒屋だけど

そんな所に彼女がいたらじろじろ
見られるだろうな、絡まれたりしそう





深「お姉さんがここよく来るなら俺もまた来ます。」







社交辞令のようなやり取りを交わしながらも

何度もお礼を言ってくれた





深「気をつけてね」




『ありがとうございます、それじゃあ』






サラサラの髪の毛を片方耳にかけ
俺に小さく会釈をしてマスターにも
ごちそうさまでした、と言って帰って行った






印象としては 感じが良くて聞き上手ないい子








あ、そうだ。忘れてた。







深「どう、盛り上がった？」





阿「なに1人で口説きに行ってたんだよ〜」


岩「ふっかが1対1で女の子と
喋ってるなんて久しぶりに見たかも(笑)」



深「なんだよ、それ、ってか女の子たちは？」




阿「あぁ、もうとっくに帰ったけど
気づかなかった？」




深「全然見てなかった」





岩「興味無いのがよく分かるな」




阿「さっきの子はなんで声掛けたの？連絡先とか聞いた？」






深「いやいや、連絡先も何も名前も聞いてないし
こっち盛り上がってたから、1人で来てたし声かけてみよっかな、っておもっただけ」



深「なんか知らない人だからこそ
いろいろ話せてすっきりしたわ(笑)」



岩「へぇ〜(笑)」




深「なんだよ(笑)」




岩「それで気分良くなって奢ってあげたんだ？」





深「お礼だよ、お礼。突然声掛けて散々喋っちゃったから。男として」



阿「かっこいい〜」

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