君がいたから

16 ページ16

『うーん、目黒くんより年上なんだったら


シンプルなデザインがいいんじゃないかな



かっこよくて綺麗なら 華奢なのとか、



こういうパーツが小ぶりなやつとか…？』





目「Aさんはどういうのが好み？」






『私は〜、私もこういうシンプルなのが





好きかな。ここがパールで可愛いし』







目「じゃあ、それにする」









『えっ、目黒くんはどれがいいとかないの？』









目「Aさんが、これ可愛いって思うなら



これがいいかな、って」









そう言って 店員さんに声をかけ


プレゼント用で、と頼んでいた









ありがとうございました、と




店員さんに出口まで見送られ




歩き出す。









『いいのあって良かったね、彼女？』









目「…………………」









あれ、 ？









何故か 返事は返ってこなくて


聞いちゃいけなかったかな、と


思っていたら





近くにある公園のベンチに座った









『…疲れちゃった？』









目「はい、これ」ｽｯ






そう言って 差し出すのは



さっき行った アクセサリーショップの



ラッピングされた袋









『…………えっ？？』








目「これ、Aさんに」








『私？！えっ…と、どうして…？』









目「この間…、俺仕事でミスしたじゃないっすか」






……あぁ、そういえば…


目黒くんのミスで 取引先を怒らせてしまって



私が 相手に連絡したり


どうにかなる方法を考えて



上司にも頭下げたり…







って、いや、別にそんなことはいいんだけど…








「そのお詫びです」









『いや、お詫びだなんて…！



ミスなんてみんなある事だし、


私もやらかすことあるし 私は目黒くんの


お世話係でもあるから！』









目「お詫びもあるし









俺の気持ち……でもある」









目「俺のこと、後輩としてしか見てないでしょ？」









『えっ…それは……』









目「男として見て欲しい」









目「いつか居酒屋で出会ったあの2人
いたじゃないですか。Aさんが
飲み屋で知り合った、って前に言ってた。





正直、Aさんどっちかわかんないけど









どっちかのこと









好きなのかなって俺は思って」

17→←15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す