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｢…何とか遅れずに着いたね。｣
玄｢もう、ずっと待っていても来ないから俺達から来ちゃったよ。｣
｢ごめんごめん、あっ先生来た。｣
ガラガラとドアが開き、
若い男の先生が入って来た。
先生が名簿を見ながら点呼をし始める。
先｢…永瀬廉！｣
｢はい。｣
あれ、あの人さっきの！
先程スマホを拾ってくれたあの優しい人が私の隣の隣の席に座っていた。
同級生でしかも同じクラスってすごい偶然、
後できちんとお礼を言っておかないと。
｢ねえ玄樹、私の隣の隣の男子いるじゃん？｣
玄｢うん、永瀬くん…だっけ？｣
｢私さっき玄樹の家に行く途中にスマホ落としたんだけどあの人が拾ってくれたの。｣
玄｢なるほど、それで遅くなった訳か、全く高校生になっても目が離せないなぁAは…。｣
｢あれはちょっと急いでいたからですー、もう半分大人だから！｣
玄｢さてどうやら。｣
玄樹はやれやれって顔をしながらブレザーを脱いだ。
玄樹はいつも私を子供扱いする、
ていうか、妹扱いする。
まあ私もそんな玄樹をお姉ちゃんだと思っているんだけど。
あ、お姉ちゃんっていうのは玄樹が女子顔負けの見た目の可愛さと女子力を持っているから。
でもたまにすごい男らしくなるから、
そのギャップにやられる女子が必ず一定数いる。
まあそれはもうモテる訳ですよ。
玄｢神宮寺またサッカー部入るのかな。｣
中学時代サッカー部でエースだったじんも、
その溢れ出す王子様的な雰囲気が女子の目に止まらないわけがなく、
玄樹に負けず劣らずモテていた。
じんは永瀬くんの前の席、
あれ…私イケメンに囲まれてる！？
…よく見ると永瀬くんの後ろの席の人もずば抜けてイケメンだし、
このクラスどうしちゃったの…。
｢ねえ、このクラスすごいイケメンが集まってない？玄樹を含めて。｣
玄｢俺はその"イケメン"に入るの？｣
｢"含めて"って言ってるじゃん、玄樹は女子顔負けの可愛い系だよね。｣
玄｢まあよく言われるけど、あーそうそう、2組と隣の5組にも抜群のイケメンが2人いるらしいよ。｣
｢他にもいるの？すごいねこの学年。｣
玄｢まあまだ会ってないけど、俺的に神宮寺を超えるのはいないから。｣
じんが反応してニヤニヤしながらこっちを向いてウインクしてきた。
このナルシストさがなぁ、
私的にはマイナス。
でも世の中の女子のほとんどはこのナルシストさにも惚れちゃうみたいだけど。
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作者名：rika | 作成日時：2018年10月12日 21時
