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岸｢お、岩玄が走ってる、頑張れー！｣
｢岸くん…あれ玄樹じゃなくて女の子だよ、確かにちょっと似てるけど。｣
岸｢え！？｣
体育祭が始まって、
あっという間にあと残す所2種目になっていた。
3年生の先輩方がやる騎馬戦と、
廉がクラスの代表で出るリレー。
優勝がかかっているリレーに代表で出れるなんて、
やっぱり廉は足が速いなって思う。
｢私ちょっと手洗ってくるね。｣
岸｢ういー。｣
午後に差し掛かって少し眠そうな岸くんに手を振って水道場へと走っていくと、
｢あっ…。｣
腕を伸ばして準備運動をしている廉とばったり会った。
廉も私に気づいたのか、
こっちへ歩いてくる。
廉｢お疲れ様、綱引き見とったで。｣
｢ありがとう、廉次リレーだよね？｣
廉｢せやで、俺ほんまにこれ自信あるから見といてや…A！｣
｢うん応援するね！…ふふっ。｣
廉｢ん？｣
嬉しくてつい笑ってしまった。
廉にAって呼ばれたの初めてなんだよね。
｢…廉が初めてAって呼んでくれた！｣
嬉しさを抑えきれずにとびっきりの笑顔でそう言った。
待って、恥ずかしい。
ただ、名前を呼び捨てで呼ばれただけなのにこんなにニコニコじゃ変に思われないかな？
廉｢…っ。｣
廉が口元を抑えて俯く。
やっぱり私変なこと言っちゃった！？
うわ、恥ずかしいって…。
廉｢A…それ反則っやから！｣
｢えっ！反則ってどの辺が！？まずいじゃん今私達のチーム優勝候補なのに！｣
廉｢…へ？｣
廉が素っ頓狂な顔をしてくる。
えっ、私何か変なこと言ったのかな？
だって反則って確か点数引かれるんじゃないの？
私が首を傾げていると、
廉は笑いながら、
廉｢俺の走り見とけや！｣
と言って入場門へ走っていった。
うーん、そんな面白いこと言ったのかな私、
なんて考えながら岸くんのいる応援席まで歩いて戻っていった。
岸｢おー、おかえり。｣
｢ただいま、廉の応援しなきゃね。｣
神｢トップバッターだもんな。｣
｢あっ、じん達戻ってきた、お疲れ様！｣
紫｢ありがとう、みんなで廉を応援しなきゃな！｣
玉入れを終えたじん、紫耀、海人、玄樹が戻ってきた。
みんな席に座り、
じっとグラウンドを見つめる。
海ちゃんはクラスの写真係らしく、
学校から配られたカメラを構えて撮る準備をしていた。
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作者名：rika | 作成日時：2018年10月12日 21時
