３４ ページ35
「よかったら
２人でごはん行かない？」
平野くんからほんと珍しく
っていうか、今まで１度もないような
”２人で”っていうワードがついた
ごはんの誘いのラインが来た
え、ちょっと待って
なになになになに、これ
怖くない？
今まで１回もないんだよ？
なにこの急展開
会社で昼に見て、迷ったものの
いいよ、と返事をして数分
え？！ちょっと待て、明日？
あ！驚きすぎてあんまちゃんと見てなかった！
まじかよ、時間ねぇじゃん！
何着ていけばいいのよ！
と、焦りに焦りまくった結果
会社帰りに
ショッピングモールに飛び込んだものの
最近の女子の流行り服がまったくわからず
まさかのマネキン１体お買い上げを
人生初でやってのけて
財布をからっからにしながら
帰宅したその夜
「ごめん、明日行けなくなっちゃった」
目の前で手を合わせて
ごめんごめんって言ってる
よく見るクマさんのキャラクターの
スタンプと一緒に
そんな一文が送られてきて
見た瞬間
ふぅぅぅぅっと
安堵とも悲しみとも言えない
ため息がもれた
まぁ今忙しいもんね
しかたないよね
それよりなんだったんだろう
急な展開になんかついていけない
「了解です！」
つとめて明るく
変じゃないよね？大丈夫だよね？って
何度も自分の中で確認して
ラインを返す
既読がついたのに
しばらく返事がなくて
珍しいなとちょっと心配になる
たいていいつもだったら
既読と同時に
何かしらの返事がくるのに
今回はなかなか返事がこない
え、なにこれ
なんかいつもと違う？
そう思った瞬間に
平野くんの「いつも」が
わかってることに気づいて
ちょっと複雑な気持ちになる
いつもがわかってるから
変って思ってるくせに
いつもを知ってることが
こんなにも嬉しいなんて
スマホ持ったままのお風呂
それでも返事がなくて
とうとう時計がてっぺんを超えた
明日も会社なのに
スマホが気になって眠れない
平野くんと会ってから
こんなことは１度もない
連絡待つのって
なんでこんなに神経すり減るんだろう
そんなことを思った深夜２時３０分
普通の会社員なの知ってるから
絶対こんな時間に電話なんて
今まで１度だってないのに
ラインで「今、電話いい？」と
聞いてくることもなく
ブゥゥゥゥブゥゥゥゥゥ
私のスマホが
気味悪く震えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆの（KP）(プロフ) - そうか、そうか。ドキドキ提供できたみたいでよかった笑。 (2022年12月17日 21時) (
レス) id: c8a01fc049 (このIDを非表示/違反報告)
Rie97623810(プロフ) - 最近小説でもドラマでも恋愛ものは見てなかったから久しぶりにドキドキしたよ〜 (2022年12月17日 16時) (レス) @page47 id: 38342ce338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - ありがとうね、短編、みんな気になるかんじかしら笑。 (2022年12月17日 13時) (レス) id: c8a01fc049 (このIDを非表示/違反報告)
妃菜(プロフ) - 短編集気になります！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 3d7b296d9e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - ありがとうね、短編気になる？笑。 (2022年12月17日 4時) (レス) id: c8a01fc049 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆの（KP） | 作成日時：2022年12月11日 19時
