３２ ページ33
何度目かの
飲み会のときに
たまたま席が隣になった廉さんが
「近づいてきても
紫耀が逃げださん女性
今までいろいろ見てきたけど
Aちゃんは珍しいタイプやなぁ」
と、酔っぱらって
そんなことを教えてくれた
「珍しいタイプ？」
「タイプってなんかちゃうな
珍しいとこおるやんって思ったのよ」
言い直されても
よく意味がわからなくて
首を傾げた私に
ふふっと困ったみたいに笑って
気ぃ悪かったらごめんなと前置きして
「はっきりしてるやん、あいつ
友達とか、恋人とかそういうん
曖昧にせぇへんねん」
「あー、それはわかる気がする」
「期待さすようなことして
泣かすんもちゃうって
別件で前に言うてたことあるし」
カランって
廉さんの飲んでるグラスの中で
氷が揺れて
それがまるで
私の気持ちみたいで
廉さんに私の動揺が
伝わったのかもしれない
それでも廉さんは
まっすぐ私を見て
「つらいんやったら
紫耀に言うたら？
あからさまにわかりやすいAちゃん
俺はええと思うけどな」
そんなん普通なかなかできへんて
素直なんもそこまでいくと
あぶなっかしくて見てられへんわ
心配やなー、おっちゃん心配やぁ
急にふざけたみたいに笑って
「きついなぁｗ、お前も」
私の頭をぽんぽんと
そう言いながらなでたから
急に泣きそうになった
”２人きりにならないようにする”
あのホテルまで送ってもらった以外で
平野くんと２人きりになったことはない
必ず誰かがいるし、２人で会うことは元々ない
その中でさらに
廉さんと話をしたあと
自分の軸みたいに
私は平野くんと２人きりにならないように
予防線を張って過ごすことにした
彼女の話もしない
２人きりにもならない
みんなで、ずーっといられるだけで満足
「友達」になれた私の
どうしても譲れない場所
それは「大勢でいるときの平野くんの隣」だ
会えなくなるなんて絶対いやだった
っていうかね、多分もう
平野くんに会えないで過ごすなんて
考えられないんだよなぁ、私
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆの（KP）(プロフ) - そうか、そうか。ドキドキ提供できたみたいでよかった笑。 (2022年12月17日 21時) (
レス) id: c8a01fc049 (このIDを非表示/違反報告)
Rie97623810(プロフ) - 最近小説でもドラマでも恋愛ものは見てなかったから久しぶりにドキドキしたよ〜 (2022年12月17日 16時) (レス) @page47 id: 38342ce338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - ありがとうね、短編、みんな気になるかんじかしら笑。 (2022年12月17日 13時) (レス) id: c8a01fc049 (このIDを非表示/違反報告)
妃菜(プロフ) - 短編集気になります！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 3d7b296d9e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - ありがとうね、短編気になる？笑。 (2022年12月17日 4時) (レス) id: c8a01fc049 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆの（KP） | 作成日時：2022年12月11日 19時
