孤爪家長女のGW9 ページ23
*
ピーッとホイッスルが鳴り、3セット目に突入していた試合が終わる。
セットカウント2:1
音駒対青葉城西
20-25
27-25
30-28
握手と挨拶を交わし午前の練習試合が終了した。Aは記録ノートを閉じ、ドリンクを選手に配る。
「ちょ、研磨生きてる?」
「…む、り…」
「3セット、しかもデュース付きだもんなー」
ベンチに背を預けへばっている研磨と、研磨の汗を拭くAを見ながらスポドリを流し込む黒尾。
「今すぐ布団に入りたい…帰る」
「ちょ、待て待て待て」
「…むり」
「Aパス」
待て、無理を延々と繰り返す黒尾と研磨だが、先に黒尾が痺れを切らしAに投げる。
「研磨、お昼も頑張ったらアップルパイ」
「…今日?」
「うん、合宿所戻ったら作ろうかな」
「…じゃあまだ帰らない」
「「「…(姉強い)」」」
同時刻、青葉城西ベンチも数名がクタクタにへばっていた。
「…しんど」
「東京の古豪手強すぎだろ」
「大学生が可愛く見えてきた」
「お前ら昼からも試合あんだからへばんな」
岩ちゃん体力お化けなの?と及川が聞く。
花巻と松川も、自分達より元気な岩泉をげんなりと見る。
「お化けじゃねぇ!!」
「はぁ…ほんと全然ボール落ちなかった」
「落ちないし打つとこないし、なんか読まれてるし」
「三重苦ってやつ?」
音駒のレシーブ力と2つの“脳”に苦戦したようだ。
「やっぱり彼女の分析力は一筋縄ではいかないな」
「監督、Aちゃん知ってるんですか」
「ん?なんだ及川覚えてないのか」
その言葉に腕を組み考え込むが、思い出せない。
「ああ、ココ最近は見てなかったな」
「見る…」
「1、2年の時はよく動画見てただろ“天才ゲームメーカー”孤爪Aって」
「…ああーっ!!!」
及川は弾かれたように顔を上げ、音駒ベンチにいるAを見る。
「及川知ってんのか」
「岩ちゃんも一緒に動画見てたでしょ!予測不可、攻略不可…天才ゲームメーカーって」
「え、あの子そんな凄いの」
「及川が珍しく天才嫌いしてない」
今にもAの元へ飛びつきに行きそうな及川を岩泉が抑える。
「岩ちゃん何すんのさ!!」
「お前飛びつくつもりだろ」
「Aちゃんだよ!!憧れのセッター!!」
「とりあえず見ろ」
何をと思いながら音駒ベンチに視線を戻すと、目の笑っていない黒尾と目が合う。
「あー、あっちの主将が彼氏か」
「及川どんまい」
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ゆい(プロフ) - ちょっとエッチが入っていると読むこっちがすごいハラハラします‼️ (2022年2月3日 20時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続き楽しみにしてます🎶 (2022年2月3日 20時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!楽しく読んでいただき嬉しいです。更新間隔が空いて不定期更新になってますがこれからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2020年6月2日 23時) (レス) id: fa8d374c63 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!すごい好きです(*≧∀≦*) (2020年4月23日 10時) (レス) id: 8e9acf94c3 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - moekaさん» 更新が開いてしまいすみません(><)なかなか更新できませんがこれからも読んでいただけると嬉しいです! (2020年4月23日 0時) (レス) id: fa8d374c63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんりん | 作成日時:2020年1月23日 14時