【HQ‼】烏野の1年マネはあの【伝説のスパイカー】だった。third (ページ44)

今日:21 hit、昨日:23 hit、合計:33,507 hit

夢ページ44

＊*

…夢を、見ていたんだ。

憧れの春高の舞台で、未来のエースとして、

スパイクを決めるっていう夢。

でも、正夢になることは、ない。

自分で決めたことなのに。

自分で選んだことなのに。

大人になったら、またできるのに。

…でも、

こんなにもバレーが好きだから、

ずっと憧れてきたことだから、

どうしても、「試合に出たい」って思ってしまう。

コートに立ちたい。

ボールに触りたい。

点を決めたい。

もし、あの時体育館に足を踏み入れていなければ、

もし、潔子先輩に声をかけられることがなかったら、

そもそも、迷子になって孝支先輩に道を教えてもらうことがなかったら。

烏野じゃなくて、新山女子に行っていたら。

春高の舞台に、立てたのに。

…最低だ。

烏野に行きたいって言ったせいで、新山女子や早瀬学園に行くはずだった佐奈も巻き込んで、

白鳥沢を目指すと言っていた瞬斗も巻き込んで、

周りを巻き込んでばかりだ。

なんで、マネージャーなんて引き受けちゃったんだろう。

…バレーボールがしたい。

谷地「…A？」

A『え？あ、ごめん。ボーッとしてた…』

谷地「もう、A！今日は春高予選当日だよ？」

A『えへへ…ごめん。』

そうだ。今日はみんなの春高予選の日だ。

全国に行くための、大事な日。

自分のどうでもいいことなんて考えない。

今日は、仲間を全力でサポートするんだ！！

*

一回戦＿＿＿VS条善寺高校

照島「ヘーイ！そこのマネちゃん！！」

A『やっちゃん、ちょっと向こう行こうか。』

谷地「え？あ、う、うん。」

この大天使ヒトッカーの身を守らなければ…！←

あのチャラ男に取られるわけにはいかない…！

照島「その！！高身長ちゃんの方！！」

A『あ！そうだ！私たち入れないから、上いこっか！」

谷地「そうだね！」

照島「チェ。つまんねーの。」

やったあああああ！！！！

私は心の中で全力でガッツポーズをした。

「ピーッ！！」

笛が鳴る。

試合開始だ！

作戦と相手の特徴は伝えてある。

うまくいくかはわからないけど…

きっと、みんなならできる！！

「え！？あれ【伝説のスパイカー】じゃね！？」

谷地「A！逃げよう！！」

A『う、うん！！』

完全に油断してた。

もし、メディアとかに行ったら…

私は、もう居場所がなくなる。