・5 ページ15
次の日、斗亜の意識が戻ったと聞いて、久しぶりに斗亜に会った。
最近頑なに連絡取ってくれへんかったのは自分のことにいっぱいいっぱいやったんか、俺に気付かれたくなかったんか。
いずれにしろ斗亜がこんなにしんどい思いをしてるって微塵も知らなかった自分に腹が立つ。
｢斗亜ー、久しぶりやなぁ、｣
｢………小島くん。｣
久しぶりに会った斗亜はどこか暗くて。顔色の悪さとか細さとかが相まって今にも消えてしまいそうで怖くなる。
食べ物もあんまり食べられへんらしくて、お見舞いに持ってきたフルーツも家に持って帰ることにした。
｢ごめんなさい、持ってきてくれたのに｣
｢ええねんで斗亜、気にせんで？｣
そう言っていつもみたいに斗亜の頭を撫でようと手を伸ばす。
｢っ、！！｣
その瞬間、斗亜は目を見開いてビクッと怯えるように身を縮める。
｢ごめ、ごめんなさいっ、｣
｢斗亜？どしたん、大丈夫やで？｣
｢こわい、こわい、っ、、やめ、｣
これって、もしかして俺が手を上げたから殴られるって勘違いしてる、？
｢斗亜！こっち見て、大丈夫、大丈夫やから｣
｢っ、いたい、っいやや、ごめんなさいっ、｣
手を伸ばしただけやのにパニックになっちゃう斗亜に胸がギュッとなる。そんだけ深く傷ついたってことよな、そう思いながらナースコールを押す。
｢ごめん、ごめんな斗亜、怖かったな、？｣
｢……ううん、斗亜が全部悪いんです、小島くんはなぐったりせえへんって分かってるのに、どうしても思い出しちゃって、、ごめんなさい、｣
看護師さんのおかげで落ち着いた斗亜。斗亜は何も悪ないのにさっきから謝ってばっか。言葉の節々から斗亜の優しさを感じて、何でこんな優しい子が辛い思いせんとあかんねやろって悔しくなる。
斗亜をこんなに苦しめた奴を、俺は許せそうにない。
人間一度壊れるとなかなか元に戻れないらしい。斗亜のあの笑顔も、笑い声も、完全に失われてしまっていた。
あれから詳しくいじめの全容を教えてもらった。
斗亜が笑顔で小島くん、ドラマ決まってん！って言ってた姿を思い出す。最近めっきり演技の仕事が楽しいって言ってた斗亜。楽しみやなぁ、ってきらきらしながら話してた。
やのに、自分の演技を否定されて暴力振るわれて。悔しかったやろな、悲しかったやろな。
それから俺はそのテレビ局のお偉いさんに復讐することしか考えられなくなった。あんなに笑顔が似合う斗亜から、笑顔を奪った。そのことが許せなくて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かしゅーなっつ - 由真さん» リクエストありがとうございます！超亀更新になってしまいますが精一杯書かせて頂きます！気長にお待ちいただけると嬉しいです、！ (2022年10月28日 0時) (
レス) @page9 id: 7b9faa10be (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストの続きで、その偉い人を消しに行こうと小島くんを、斗亜くんのそばに居てあげるように説得して、実は自分も小島くんのことが好きな佐野くんが、誠也くんと一緒に滝沢くんに訴えにいく話もお願いします。 (2022年10月26日 10時) (レス) id: dee5ef993d (このIDを非表示/違反報告)
由真(プロフ) - リクエストO.K.ですか？ 斗亜くんが救急搬送されたと聞き、小島くんが駆けつけると、リトかんのほかのメンバーから、斗亜くんがテレビ局の偉い人からいじめを受け続けて、ストレスで倒れてしまったと知る話をお願いします。 (2022年10月26日 10時) (レス) @page5 id: dee5ef993d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かしゅーなっつ | 作成日時：2022年9月23日 19時
