二年 E組コバンザメ (ページ47)

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番外編シーフードピザページ47

「それにしてもアズール、小エビを"小汚い雑巾"なんて、言い得て妙だねぇ！」

「…それはどうも」

私の"雑巾"に対する言動に、アズールはいちいち口を出すのをやめたようだ。

反応が変わらないのはジェイドだけか。

ただ黙ってにこにこしている。

フロイドは初めの頃こそ毎回謝ってきたが今では殆ど無視だ。

まぁ、いいけど。

ジェイドがピザを箱に乗せる。

フロイドがその蓋を閉めてテープで留めた。

ピザをフロイドが、絨毯をジェイドが持ってラウンジのソファで待っていた小エビと一緒にいよいよスカラビア寮に出発だ。

「ねぇなんでらーくんは私の肩に乗ってるのかなぁ？」

らーくん、というのは小エビの付属品の灰色狸のことだ。

狸はラクーン、ラクーンくんだと語呂が悪いかららーくん。

私の肩に勝手に腰を落ち着かせた小エビの付属品はいつもの私が嫌いな上から目線の口調で答えた。

「オレサマ、お前のこと気に入ったんだゾ。オクタヴィネル寮生で、しかもこの三人と仲がいいのに、優しいし裏が無さそうだし」

「そーなの？ありがとー！」

上から目線の口調に加え、今回は私の質問の回答になっていないことがまた癪に障る。

顔に出したつもりは無いが何かを察したのか小エビが付属品を私の肩から引き剥がした。

「グリム、テーネ先輩に迷惑だからこっち来て。すいません、グリムってよく食べるからなのか、見た目より重くて…」

「んーん、ぜーんぜん大丈夫だよぉ」

重かった。

このままスカラビア寮まで歩いていたら肩が凝っていたかもしれない。

今回は小エビに感謝しよう。

「用意は良いですか、ジェイド、フロイド、テーネ」

鏡の間、スカラビア寮の鏡の前でアズールが私達に声をかける。

それぞれがアズールと視線を交し、揃って返事をした。

「はい」

「はぁ〜い」

「いぇす、さー」

さてはて、スカラビアの彼らにはどんな態度をとれば事が上手くいくんだったかな。