44 説教じょいん？ ページ45
隣に立つフロイドはいつもなんだかゆらゆらしている。
イソギンチャクみたいだ。
私も真似してゆらゆらしていたらクルーウェル先生に怒られた。
「揃いも揃って揺れるな！そもそもお前はなんでここにいる」
「んーとね、フロイドと一緒に怒られに来た」
「…揺れるな。怒ったぞ、帰れ」
「え〜。そうじゃなくてぇ、授業態度が悪いとかぁ、テストでれーてんとったとかぁ」
「お前は授業態度はすこぶる良いしテストも毎回満点だろう。言うことなしだ」
「ねぇオレさっさとラウンジ行かねぇとアズールに怒られんだけどぉ」
フロイドがクルーウェル先生から呼び出しを食らったのは五時間目のこと。
授業内テストを白紙で提出したうえ、先生に授業がつまらないから寝ると大声で宣言して寝た、らしい。
さっき先生がそう言って怒ったのだ。
駄犬っ、ってね。
あ、ほら、また言った。
フロイドが嫌そうに返答する。
「わんわーん」
「そうじゃない！」
「ねぇねぇ私にゃんにゃんの方が好きー」
「…トレイン先生のところにでも言ってこい！」
「それいいねぇ、行ってくるぅ。さよーなら、クルーウェル先生！」
「ん、また明日だ…な…？」
「子ザメちゃん、行ってらっしゃぁい」
✤✤✤
「…フロイド・リーチ。テーネ・ピストリスはいつもあんななのか？」
「うん、オレに似てて、ジェイドにも似てて、アズールにも似てる」
「…それ、大丈夫か？」
「大丈夫なんじゃね？自由で、ポーカーフェイスで、自分に利益があることが好き」
「……」
「あとぶりっこ」
「本当に大丈夫なのか？」
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作者名：Rose | 作成日時：2020年4月23日 17時
