二年 E組コバンザメ (ページ32)

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番外編今年はどこで過ごそっかなページ32

「アズールぅ！」

「わかってます。ジェイドが帰ってくるまで待てないんですか…」

ジェイドとフロイドは鏡の間で学園長のアロハシャツ姿を見に行ってしまい、不在だ。

少なくともジェイドが帰ってくるまでは私のウィンターバケーション中の住処が選べない。

珊瑚の海に戻らない私達はウィンターバケーションを学園で過ごす。

生徒数が極端に少なくなった校舎は沈没船のように静かで、物はあるのに人がいないのがちょっと不気味だ。

しかし、それをも楽しむのが私。

「今年はどこで過ごそっかなぁ。去年は教室だったから、今年はもーっと広いところがいいなぁ」

「じゃあ食堂にでもしたらどうです？」

「それいいねぇ、アズールないすあいであ！」

「…冗談のつもりだったんですが」

基本的に誰もいない校舎を利用して模擬キャンプを楽しんでいる私は、今回の"基地"を食堂に決めた。

…と言いたいところだがジェイドが食堂使用の許可をとっていなければ使えない。

食堂は利用する人がいないでもないから難しいかな、なんて思っているところに丁度二人が帰ってきた。

「ただいま戻りました」

「学園長のハット、地味に似合っててなんか変な感じ」

矛盾した感想を述べたフロイドが私に覆い被さる。

重い。

ジェイドの方を見るとそれだけで理解したらしく、待っていてくださいと言って部屋に引っ込んだ。

利用可能な施設のリストを手に戻ってきたジェイドが思わぬことを口にする。

「今年は体育館と食堂も許可を取ることができました。それに、グラウンドも」

「グ、グラウンド!?」

「やったぁ、野営地だぁ」

「テントを張って四人でキャンプをしましょう」

「やるやる〜」

楽しそうに乗ったフロイドと、口を歪ませたアズール。

このあとウツボ二人とコバンザメにせがまれて一日だけだと妥協するタコであった。

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ハッピースカラビア！
始まりましたねぇ、4章。
チーム・オクタヴィネルが助けてくれるのを切実に待っております私、Roseでした〜。