紅の初恋【轟焦凍】【上鳴電気】 (ページ1)

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紅.01 ページ1

貴方side

雄英高校への入学が決まって一週間が過ぎ、今日がその入学式。

頭が良くなくて不器用で没個性な私が
どうして受かることが出来たのかは未だに謎だけど
小さい頃から憧れていた『ヒーロー』になる為の第一歩を踏み外す訳にはいかない。

貴「美月、おはよう！」

美月「…おはよ」

双子の姉はいつも通り塩対応。
入学式くらい一緒に来たかったのに先に行ってしまったし、
無視をされるのは日常茶飯事だから、挨拶を返してくれただけまだマシだ

通っていた中学も別々で
私は結田付、姉は凝山中学校。

私と違って何でもこなす才能に溢れた美月は、理由は分からないけど、小さい頃から私を避けていた

付きまとうようで気持ち悪いかもしれないけど
少しは仲良くしたいと思って姉と同じ高校を受けた

芦戸「あ！Aだー！！」

貴「三奈ー！久しぶりだね！」

同中だった、芦戸三奈と切島鋭児郎も同じ雄英でヒーロー科。

芦戸「おんなじクラス！よろしくね！」

貴「うん！！」

いつも笑顔を絶やさない三奈に元気をもらってから、黒板に書かれた席に座る

机に置かれた教科書等をぼーっと眺めていると
見慣れた赤髪が横を通り過ぎた

貴「…っ、」

挨拶をしようと声を出そうとするが、相手が男子というだけで声が出なくなる。

幼稚園に通っていた頃に男の子からいじめを受けてからというもの、男子に対する苦手意識が消えることはなかった

体格がよくて背が高い男子は
別に私に何をするわけでもないのだが
昔のこともあってか、
ただ怖くてしょうがない。

…だから、
隣の席の男の人によろしくを言うなんて無理に決まって＿

？「なに？見てぇの？」(ずいっ)

貴「ぎゃあああｯ!!?」

初対面だというのに、顔の近づけ方が異常な男の子と
チラッと見えた女の人の水着姿に驚いて
そのまま椅子から落ちた