続・さいころみたいに非日常な日々 【iris】

水×青　続き ページ3

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水「とりあえずリビング行こ？何があったかは後で聞くから」

青「…ん」


靴を脱ぎながらそう言われる。

肌寒い廊下を、ほとけについていくように歩み進めた。

…
……
………

水「…それで？何があったの？」

青「えっ…と…」


ソファに2人で腰掛け、数秒ほど見つめ合う。

…俺の方はどうも恥ずかしくて目線を逸らした。

隣からすごく視線を感じるが、そこは見ないと貫くことにする。

…ああ、冒頭と同じような状況だ。

違うのはあんな甘ったるい雰囲気じゃないことくらいか。

こんなことが今頭に浮かぶのは、いわゆる『現実逃避』をしているからだろう。

…現実といえば、たまに彼と付き合えているのは夢だと思うことがある。

…夢といえば…今日は久々に悪夢を見たんだよな。

…悪夢といえば、ついさっきまでの心境はまさに悪夢で…

そんな連想ゲームをしていたが、頬に何か冷たいものが当たり、急に今目の前の現実に引き戻される。


水「…目、逸らさないで。ゆっくりでいいから、教えて？」

青「………」


彼の両手が俺の頬を挟んでいた。

そのまま、無理やり視線を彼に向けさせられる。

「僕、びっくりしたんだよ？」と首を傾げるほとけは、俺なんかより数倍可愛い気がした。

言ったらお仕置きされるから言わないけど。


水「…教えて？」


なかなか答えない俺に、再び同じ質問が投げかけられる。

その口調は決して責めるようなものではなくて、優しく宥めるようだった。

それでも、そうは言われても、と、一瞬は躊躇った。躊躇った、けど。

彼の、ほとけの、真剣な眼差し。

…ほとけなら、俺のくだらない早とちりを聞いても馬鹿にしないだろう。

そう信じて、微かに震える唇を開き、その旨を伝えることにした。

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