雪柱の覚悟

漆 ページ8

Youside


『 ？！！嘘でしょ！？』


尾行していた隊士の前に現れたのは……


6つの目を持つ鬼＿＿＿＿＿＿＿おそらくは十二鬼月
しかもその中でも上位だろう
それほどにも強い気配を感じる


隊士「ひっっ、な、なんだこいつ……」


隊士は怯えながらも刀を抜く。


鬼「……鬼狩りか……」


対する鬼の方は随分と余裕そうだ
一見大人しそうな鬼であるが……
一瞬で刀を抜き隊士を切りつけようとする瞬間を雪柱は見逃さなかった


キィィィイイイイン！！！


耳障りな音が静かな夜空に響く




隊士「雪柱様！！！」




『 嫌な予感がしたから着いてきてみたら……あたりだったね、まさか上弦の壱さんと出会えるとは』




隊士を抱え後ろへ飛びさり少し距離をとる




鬼「雪柱か……雪華の巫女、か……？」







『 っ!!!!』





雪華の巫女、とは雪の呼吸の使い手により先代から代々受け継がれてきた特別な力である







低温火傷をするほど刀が冷え、鬼の再生速度を遅めることが出来る







『 ……何故それを？』







鬼「私も……鬼狩りをしている時期が……あった……」







なるほど雪の呼吸の剣士を見たことがあったのね








元鬼狩り、何故鬼になったのだろうか、永遠の命が欲しかったのだろうか







『……そうだよ、私は雪華の巫女の力を受け継いでいる、』







冷たい風が髪を揺らす






雪華の巫女の力は使いたくない、この力を使って切られた鬼は低温火傷のような痛みを感じる







きっと苦しいだろう、いくら人を殺した鬼だからといって痛い思いはなるべくさせたくない

捌→←陸

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