2話 ページ3
「行ってきます」
返事は返ってこない。数年前に両親は他界した。無個性な自分を引き取ってくれる親戚はいるはずもなくただ生活費は親の遺産で、やりくりしている状況だ。
そこそこ人気のあるヒーローだったから、生活費は困らない。
少し歩くと
(あ‥‥)
かっちゃんだ。
数メートル先に歩いている爆豪。
幼馴染だが、無個性なAが彼に気に入られているわけがなく、もう一人の幼馴染緑谷と同じ扱いだ。
Aより先にいる爆豪だが勢い良く振り返る
「よぉ‥‥榊」
「かっちゃん‥‥」
「あ！？誰がそんな呼び方許した？無個性は無個性らしくしとけよ」
「‥‥ごめんなさい爆豪くん。」
そう呼ぶと爆豪の顔はより険しくなる。
まだなにか気に入らないことがあるのかと思っていたが彼はまた前を歩いていった
(‥‥かっちゃん、美味しそうだな)
先を行く爆豪を見て不意に思ったA。
爆豪だけではない。すれ違うみんな美味しそうに思えたのだ
(‥‥私今なに考えてた。
いや、おかしい。人が美味しそうとか‥‥そんなの、あるわけ‥‥‥‥ある、わけ)
ない という言葉が出てこない。
(いい、匂いが‥‥する。あぁあの人の肌柔らかそうだ。噛んだ瞬間程よい甘さの血が流れ出て私の口の中にその旨味が広がってゆくのだろう)
【喰べちゃったら？】
脳内で響く悪魔の問いかけ
そんな声の主には気に求めず
「たべ、ちゃおっ‥‥かなぁ」
自然と頬が緩む
あぁ、美味しそうなお肉だ。
きっと凄く美味しいのだろう。口の中でとろける味の深い絶妙な血。あぁ、喰べたい
もう理性なんて言葉は聞かなかった
喰べようと一歩前に出るA
「おはよう！Aちゃん！」
「‥‥ｯ」
急に肩を叩かれ振り返る
「‥‥っあ、おはよう‥‥デク」
「ごめん、ビックリしちゃった？」
「ううん、大丈夫！」
「そっか！」
「じゃぁ僕は先に行くね」
「わかった、また学校で」
そう言って別れるAともう一人の幼馴染み緑谷
(さっき、デクが来てくれなきゃ絶対喰べてた。‥‥私、人殺しに )
考えただけでゾッとした。
もしあの人を喰べてたらその家族はどうなっていたのか。
家族を失う辛さはこれでもかと言うほど味わった‥‥
なのに、わたしは‥‥
残るのは罪悪感だけ
なぜ人間を美味しそうと思ってしまったのか
なぜ朝食は不味いと感じたのか
もう、私は
人間じゃないのか
‥‥化け物、か
(血まみれの男の人が言ってた喰種っていうのと関係あるのかな‥‥)
顔を真っ青にしながら
そんな疑問を胸に学校の中に入っていった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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雪麗(受験生) - 多くの中から選んだので誤解を生んだのならごめんなさい！！ (2017年11月11日 20時) (
レス) id: 93e099ae7c (このIDを非表示/違反報告)
雪麗(受験生) - ご指摘有り難うございます！！「ディアボロス」はギリシア語、「ディアボロ」はイタリア語で、両方「悪魔」です。言葉が違うだけで、意味は同じです。またディアブロはスペイン語、ボローニャの方言ではディアベルとも言うそうです！ (2017年11月11日 20時) (レス) id: 93e099ae7c (このIDを非表示/違反報告)
音無 - 悪魔ってディアボロスじゃないの？ (2017年10月31日 21時) (レス) id: e4101412c2 (このIDを非表示/違反報告)
雪麗（受験生）(プロフ) - ご指摘有難うございます！！！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: 21d87858eb (このIDを非表示/違反報告)
黒木美菜(プロフ) - 27話の「急にが、九二になってました」 (2017年8月26日 14時) (レス) id: 1487353ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闇 | 作成日時：2016年11月23日 1時
