【トリップ】星に願いを。【オーバーホール】

ｈ．初めて怖いと感じた彼 ページ8

バンッ！！！！！！


「あ、．．．あぁっ 」


上半身が破裂する音。
飛び散る赤が私の頬をかすめる。
ツー と頬を伝う生暖かい赤の感触のせいで ゾワァ と私の血の気が引く。

間に合わなかった。

ドサっと音を立てて倒れるオカマの人。


「マグ姉――――――！！！！」

「先に手を出したのはおまえらだ。」


文句を言いながらゴシゴシと返り血を拭く廻さん。

彼をこんなに怖いと感じたのは初めてだった。

「待てコンプレス！」

仲間を殺され、危険を感じた1人が飛び出した。

「もう．．．やめてぇ！！！！」

恐怖から足は動かなくなった。
久しぶりに会った彼は、随分と性格も変わっていて、怖くって


私はただ、叫ぶことしか出来なかった。


「触るな。」

触れられたことにより、蕁麻疹を発症する廻さん。

そしてまた、引っ掻いた。

「ってえええ！？」

片腕を持って行かれた痛さにもがき苦しむ姿を睨みながらまたも返り血をゴシゴシと必死に拭う彼。

そんなときに、アイツが廻さんに手を伸ばした。
危険を感じた廻さんは

「盾っ」

そう叫んだ。

すると上から 人が落ちてきた。

アイツが伸ばした手は廻さんには触れず、落ちてきた盾。．．人に触れた。

その人は
「う”ぐっ．．．！！」

と、痛みに耐える声を上げながら崩れていった。

「危ないところでしたよ、オーバーホール。」

その声と共に、廻さんの仲間であろう人が沢山出てきた。


「な．．．んで こんな．．． こんなの．．．．あんまりだよっ」

涙が出てきた。

敵連合が殺されたことにじゃなくて
廻さんの仲間が殺された事じゃ無くて


変わってしまったあの人を思うと、何故か涙が止らなかった。

「穏便に済ましたかったよ、敵連合。
こうなると冷静な判断を欠く。頭を冷やしてまた後日はなそう。」

怒りが収まらない彼らは

「テメエ殺してやる！！！」
「弔くん 私刺せるよ 刺すね。」

廻さんへの敵意は収まる事なんて無かった。

「駄目だ。」

そう言って仲間を止めるコイツ。

「それと、だ。
その白髪の女はもらっていく。」

「え？」

近づいてくる廻さん。嬉しいはずなのに、怖い。

やだ、来ないで
そんな否定的な言葉しか言えなかった。


「来い。」

そう言って手を伸ばされた。

「いやあっ！！」

伸ばされた手を振り払ってしまったことに

「あっ．．．ごめんなさいっ ぃや、許して 廻さん。」

そう彼の名前を口に出せば

「っ！？」

彼はとても驚いていた。

「ハァ．．．やはり、連れて行く価値はありそうだ。」

そんな彼の言葉に、私は違和感を覚えた。

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