【トリップ】星に願いを。【オーバーホール】

ｅ．若さ＝輝き ページ5

「あ！貴方が神楽坂紫苑ちゃん？」

「はい。よろしくね。」

「ヨロシクー！！」

お、おう．．．テンションたけーな。

一通り自己紹介が終わって、これからどうする？って話になった。どうやら何にも決めてなかったらしく、行き当たりばったりならしい。

「あ、あそこの店でお茶しない？」
「いーねえ！」

少し落ち着いた雰囲気の喫茶店。今の高校生はこういう所行くんだな〜．．．なんてぼんやり見つめていた。

「え、ここのパフェおいしそう！」
「なに！パフェだとぉ！？」

．．．会話なんてモノは今も昔も余り変わりないみたいだ。

学校生活や恋愛話、なんてこと無いような話でも全てが楽しく面白く．．．そんなキラキラとした、
純粋に笑える、そんな会話。


(もう味わう事なんて出来ないんだろうなって思ってたけど、こういう形でまた味わえるなんてね。)

「神楽坂ちゃんってさー．．．個性どんなの？」

「んー．．．back to the past っていうの。
触れたモノとか自分自身を、思った時間帯の姿に戻せるの。」

「うへぇ〜．．．こりゃまた強そうな個性なことで．．．」
「そう？」

「そういう三奈は？酸なんでしょ？そっちも強いじゃん。雄英だし。」
「うぇ〜．．．私なんてまだまだだよ。化け物ばっか！」
「私轟君すき〜。」

どうやら有名人みたいだが生憎私は一回も見たことが無いので、話がよくわからん。



．．．．



「ふ〜、美味しかったぁーーー！」
「イチゴーーー！！」
「胃もたれが．．．」

個々の感想を言い合って今日はお開きになり店の外へ出る。なんだか新鮮な体験をして少し疲れたが結構楽しめたことに内心驚いていた。

「あっ！」

そう言って声を上げた彼女に

「どーした？」

三奈が顔を覗き込んだ。

「ピン．．．壊れちゃった。」

手のひらにはキラキラと光る壊れた髪留め。

「私、直してあげる。」

手のひらにあった髪留めを貸してもらい握りしめる。

(壊れる前に。)

「Twinkle, twinkle, little star．How I wonder what you are!」


「．．．何で歌ったの、神楽坂ちゃん。」
「ああ、私の個性。歌で発動するの。」

「へー．．．上手だね！」
「はいはい。」


人が結構歩いてる仲で歌うのはやっぱり少しはずかしいもんだ。
そんな思いとは裏腹に隣ではしゃぐ2人。

あっという間に駅について

「じゃーね！三奈！」
「またね。」
「2人ともばいばーい！！」


そう言って皆と別れた私たちは、電車へと乗り込む。

駅へ着き

「じゃあね。」
「また明日！」

と、簡潔な挨拶をして別れ歩き出す私の目の前に

「やあ。」

この男は現れた。

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