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「俺さ、Aに聞きたいことあるんだけど」
「あ、そうだったよね。どうした？」
2人で一緒に『いただきます』と言って手を合わせてから数分は無言で食べ進めてたけどお互いのお弁当の半分くらいまで食べたところで話しかけられる。
「…小山さんと何かあった？」
「え？けいちゃん？」
「今日の朝、2人別々だったから珍しいなと思って」
「あー…。そっか、最寄り一緒だもんね」
いつもは加藤くんの方が先に行ってて朝会うことはなかったけど、今日はほとんど寝れなかったからいつもより1本早い電車で学校に行った。
多分、そんな私を加藤くんは見かけたんだろう。
「けいちゃん、彼女出来たんだって」
「は？小山に？彼女？え、誰？」
「愛菜」
「…はぁ！？愛菜って長谷川？」
「だよね、びっくりするよね」
中々大きい声で驚く加藤くん。
屋上だけど、物も置いてあるから少しだけ反響してやまびこみたいに返ってくる。
「あーだから一緒に登校してなかったってこと？」
「うん。愛菜と一緒に登校するみたい」
驚いて箸が進んでない加藤くんを余所に私はお弁当を食べ進める。
そういえば加藤くん、けいちゃんから直接聞いてなかったのかな。
だとしたらけいちゃんに悪いことしちゃったなぁ。
きっとけいちゃんは直接加藤くんに言いたかっただろうから。
「…Aはさ、辛くない？」
「……なんで？」
「だって、小山のこと、好きだったんじゃないの？」
「え、」
「違った？」
「ううん、違くないんだけど」
加藤くんにストレートにそう言われて思わずフリーズしてしまう。
そんなに分かりやすかったのかな？
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
