1-1 スノーマン ロシア ページ38
それは、雪のふるある夜のことだった
僕は一人で町中を散歩していた
こんな夜中の、しかも雪のふる日に人なんていないと思ってた
でもいた。
その子供は雪が降りかかる中独りで泣いていた
僕は急にその子が心配になって、声をかけた
『君。ここで何してるの？』
するとその子供は濡れた声で言った
「大事な人に嘘をついちゃったの…」
そして大声で泣き始める
僕は慌てちゃった
だって人の慰め方がわからなかったから
僕が迷っているとその子の周りにたくさんの“黒闇”が渦巻いた
そしてその子を海の荒波のように飲み込んだ
『ｯ！！』
僕は必死にその“黒闇”を取ろうとした
取らないといけないよって本能が言ってたんだ
殴.って
蹴.っ飛ばして
ぶった切って
払って
それでも、その“黒闇”は取れない
これ以上、どうすればいいかわからなかった
その時。ﾌｯとあることがよぎった
昔、レイが言ってた言葉
「兄さんはいつも僕が泣いてる時、ただただｷﾞｭｯと抱きしめていてくれた。僕はそれが堪らなく嬉しかったんだ」
この子がそれで大丈夫かわからないけど、試してみる価値はあった
僕は“黒闇”ごと、その子を抱き締める
『……怒ってないよ………』
僕は自分でもびっくりした。
この言葉が勝手に口から漏れたからだ
その一言を聞いて、黒闇に包まれたその子は言った
「……ｸｽ。やっぱり兄さんは優しいね」
『！？！？』
僕がﾊｯと目を開けるとそこはさっきまで歩いてた町中で
目の前で泣いていた子は、跡形もなく消えていた
******
(傍にいたいよ)
(だけど、僕から消えてしまった。)
(…そんな君はさ)
(まるで暖かい所に降り積もった)
(雪みたいだね)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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未胡成(プロフ) - 狼は赤ずきんに恋をしたのＫＺ版とてもよかったです！切ないですね！ (2020年2月4日 17時) (
レス) id: 1aec104bc7 (このIDを非表示/違反報告)
K - あ、アッチ系でしたね。（アッチ系とは.......？知らない方が良いのかな.......？） (2019年9月1日 19時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
K - 続編読みたかったな.......何で消してしまったんですか？この作品とても面白かったので続編も絶対面白いと思ったのですが.......（アレ系とはなんでしょう？よくわからないな.......） (2019年9月1日 19時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
K - あれ？続編消えてる.......？残念....... (2019年9月1日 19時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
琉生(プロフ) - はじめまして。さっそくですが、質問です。なぜ、続きの2作品を消してしまったのですか？とても面白かったので、復活して頂けると嬉しいです。 (2018年1月9日 23時) (レス) id: 1982deab88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空町空夜 | 作成日時：2016年7月24日 21時
