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橙side

きっと伊野ちゃんは、俺が耳の良いことを利用して、敵に気付かれないように何かを伝えようとしている。




『は……の、しな……で。じぇ、が……もっ…る』





理解し得る範囲で。


馬鹿な俺に伝わるように言ってくれてる。






『はや、く……おく、ちゃ、て……』





どんな状況かも分からないし、俺の聞き間違いかもしれないけど。





俺に言ってること。

Jが離れたところで通信機を手にしていること。

早く送れ。



その三点が、正確に分かった。




ならやることは、1つしかねぇよな!




「薮!今すぐやれ!」


緑「は?でも──」
「伊野ちゃんからの命令!早く!」




通信機を無造作に切り、一番近くに座ってパソコンとにらめっこをしていた薮に怒鳴る。



怒鳴ってはいないけど、そのくらいの勢いはあったと思う。






 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜



紫「伊野尾から来てたものなんだけど。これ」




コンピュータからコピーされたB4サイズの紙に、皆が釘付けとなった。





黄「送ったのか?」

紫「まだ」

黄「送らねぇと。あいつら真実を知らないまま上に歯向かうことになる」

「でも昨日送った手紙で、多少は混乱を来してると思う。だから」

緑「高木、7が見た形跡がない。疑っているのかもしれないから、それを送るのはあいつらが見た後だ」







伊野ちゃんが昨夜隠れて送ってきたとされる1つの情報。




それは、こっちで探っても出てこなかったある会社のこと。







君達は分かると思うんだ、


例の、中島、だよ。

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作者名: | 作成日時:2018年3月10日 23時

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