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橙side

伊野ちゃんが……捕まった。









そうなること予期していたから、ショックを受けることも無いんだろうけど。



薮が伊野尾に応答を求めても『黙って』の一言だったし。



作戦がバレたのは、


というかバレていたのは予想していたけど、





その後はこっちが早くしないと伊野ちゃんに危険が及ぶ。



















殺すときは冷静沈着に、
誰をも見下し笑い飛ばしながら___



















本部の先輩から教えてもらったのは、こんなことばかり。


人殺しに、感情なんてそもそも必要がないからね。




でもグループを作れば話は別になると思う。




仲間意識が高くなればなる程、俺らは人を殺せなくなる。



俺らは身近な人を、傷つけられなくなる。



犠牲に出来なくなる。





もしかすると、俺らをその方針で教育してきたのが裏目に出たのかもしれない。




あのJの言葉を聞いた瞬間、俺らは作業に取りかかった。




だけどふと気づいた。





スピーカーにされた通信機を置いている場所から、何やら小さな声が聞こえることに。


皆も知ってると思うけど、俺は自他共に認める耳の良さを持っていて周りが静かな今は特に聞き取りがしやすかった。




『ガサガサ……だ……ちゃ……。き……い、て』





敢えて小さい声なのか、そのくらいの声量しか出ないのか。



それは分からなかったけど、あの弱々しい声が伊野ちゃんだと理解するのに時間は掛からなかった。

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作者名: | 作成日時:2018年3月10日 23時

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