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青side
「この組織と、あとそれな?これら全部今日中だ。宜しく」
「ボソッ)めんどくさ……」
嫌々作業に取りかかる。
本部でも俺のハッキング能力は知られていたようで、幹部の奴等が情報収集の殆んどを俺に任せてきた。
それなのに。
それなのに。
それなのに。
俺の給料は1円もない!!
どう言うことだよ!本部は隠れブラック企業かよ!
「独り言が煩いぞ。早くしねぇとこの量はキツイだろ」
キツイだろじゃねぇよ!!!
だったらお前がやれよ!
やんなくても何か労え!
手伝え!
監視役の男に当たっても、何も良いことは無いと分かっている。
あー、ここを出るとき必ず言ってやる。
お前らは____だとね。
え??
皆さん。
俺がさっきから何言ってるんだよって、そう思ってます?
ごめんね、手が吊りそうで忘れてたよ。
遡ること6時間前。
「朝だ、起きろ。今日からは俺の分までたっぷりと働いてもらうからな」
寝起きの俺を叩き起こし、仕事内容を頭に強制的に入れ込まれた。
まぁ、8割くらいはハッキングですよ。
後の2割は幹部や下の小組織などのミスのフォロー。
それは警察の情報網に入り込んで削除しちゃえば良い話。
問題はその後だよ。
俺には殺さず食わせてやっているんだからと金すらも与えてくれない。
まぁ良いけど。
どうせ貰っても、外に出させてもらえないなら意味がないただの金属だから。
んで、今に至る、と。
今は6つのハッキング任務のうち2つが同じ機関だったから、そっちを優先的に且つ同時に処理中。
だからあんまり話してる暇がないんだよね。
「ボソッ)あー、もう何でも良いや……。はい、2件終わりました」
「ボソッ)早ぇ……まだ10分と経ってねぇよ」
ヒソヒソと俺の陰口やら称賛の声が聞こえる中、俺はある記憶を思い出していた。
それは俺がまだ、“実験台”という役割を担っていた頃の話だ。
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作者名:柊 | 作成日時:2018年3月10日 23時