afterstory＃15 ページ37
次の日、頭が痛すぎて目が覚めた
もう、こうなることは分かっていたけど。
何やってんだろ、って我に返る
ふと、左手に、違和感を覚えた
何かを握りしめている、感じ。
左手を広げると、それは指輪で。
それが何かを理解した私は、寝室を飛び出した。
ソファに座ってテレビを見ていた蓮に真正面から思いっきり抱きつく。
目「うわっ、...あ、起きた？」
「...蓮っ、これ、」
目「何か分かった？」
「...っうん、分かった、分かったよ...」
抱きついていた腕を離して、蓮に目を合わせる
目「夜景も何も花束も何もないけどさ。
それ、俺の気持ちだから。
だから、
...俺と、結婚して下さい」
面と向かって言われて、改めて実感が湧いてきた私。
ポロポロと涙が溢れてくる。
目「返事は？」
「...っはい、よろしくお願いします...っ」
目「ねえ、泣きすぎだから笑」
「だって、嬉しくて...っ
まさか、プロポーズされるなんてっ、思ってもなくてっ...」
目「昨日言われて、びっくりした。
俺、ちょうどね、プロポーズしようと思ってたから」
「っえ」
目「だって、今日、Aの誕生日じゃん
誕生日にプロポーズって、ロマンチックじゃない？って、高校生の時に言ってたじゃん」
...確かに、言った気がする。
目「自分で言ったのに忘れてたの？笑」
「...言ったような気がしてる、だけなの
ちゃんと覚えてない...笑」
目「今と、その時と、気持ちは変わってない？」
「...うん、変わってないよ」
目「...よかった。
あ、婚姻届、今日出しに行こ？
あと、Aが書いたら終わりだから」
そう言って手渡された婚姻届は、本当に私の部分だけ空いていた。
両親の名前も、書かれてあって。
「私の両親には、いつ、書いてもらったの...？」
目「一週間前、指輪買った帰りに寄った。
俺、いつも仕事終わるの遅いじゃん。
だから特に怪しまれないな〜って」
「...断られる、って思わなかったの？」
目「全く笑 だって、Aは俺の事大好きだもんね？」
ニヤニヤとした顔で、覗き込まれる。
いつもやられっぱなしだから、今日は仕返ししてみようかな
「もろちん、でも、私は蓮が思ってるより、蓮のこと愛してるよ？」
目「...っ、はぁ...、だめだって」
Aは俺を煽るの、得意だねって。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2020年12月6日 14時
