afterstory＃14 幸せ ページ36
ある日、仕事が終わらなくて残業になって、家に着いたのは23時を回っていた。
一応、近辺の会社の中ではホワイト企業と言われているが、それは日による。
仕事が少ない日は午前で帰れることもしばしば。
家に帰っても暇だから昼ご飯食べて帰ろう、なんてこともある。
今日は過去一と言っていいほどの多さだった。
恐らく、数名が風邪で休んだからだろう。
仕方がないけど、体力的にかなりきつかった。
「ただいま...」
目「おかえり、LINE見た？」
「んえ...、見てない...です」
確認してみると、大量のメッセージと不在着信
「...ごめん、気づいてなかった」
目「だろうな、と思った
遅くなるなら迎えに行くよ、って送ったんだけど...」
「え、うそ...それは本当にごめん」
目「お風呂入ってきたら？
足し湯してるから、あったかいと思うよ」
「...ありがと、」
.
今日は一番親しい同僚がプロポーズされた！なんて言ってたな...
みんなどんどん結婚していって、何故か置いて行かれてる気分になる。
私たちには私たちのペースがあるのに。
蓮だって忙しいのに、そんなこと言ってられない。
お風呂から上がると、パジャマとタオルが置いてあった。
そういや、何も持たずお風呂入ったな...と思い返す。
こういう蓮のさり気ない気遣いは、何年経っても嬉しい。
.
明日は休みだからお酒を飲む！と宣言した私。
すぐ酔うって分かってるのに何杯も飲んじゃって、完璧に仕上がった。
「えへへ〜蓮〜好きぃ〜」
目「だから飲むなって言ったのに...
水飲んで、はい」
「やだ」
目「あーもう、それお酒だから。
これ以上飲んだら明日頭痛くなるよ？」
もういいよ、明日頭が痛くなるなんて、分かってるから。
今は、お酒の力に頼りたかった。
「ねえ〜蓮〜」
目「...なに？」
「今日ねぇ〜、同僚がプロポーズされたって言ってたの〜
みんな、結婚しててね〜
私っていつになったら結婚できるのかなぁ〜」
目「...っ」
そこで、私の意識は途切れた。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2020年12月6日 14時
