学年一モテる目黒くんと、私。【黒】 (ページ4)

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そこで予鈴が鳴ったらしく、みんな急いで片付けを始めた。

私には何も聞こえないから、いつも辰哉かさっくんが教えてくれるんだけど。

目「鳴った、行こ？」

今日は、目黒くんが教えてくれた。

「うん」

私はそう返事をして、立ち上がった

.

体育の授業は危ないから、ほとんど見学。

でも何もしないっていうのも暇で、出来る競技の時だけ授業に参加している。

今日は危ないから、って見学になった。

グラウンドの隅に置いてあるベンチに座って、レポートを書く。

ふと顔を上げると、授業をだるそうに受けている目黒くんと目が合って。

目が会った瞬間、ニコッと微笑まれた。
...イケメンだからできることだよね、これは。

私は手を振り返して、再びレポートを書き始めた。

.

忘れ物をして教室に戻ると、辰哉と同じクラスの子が立っていて。

何かを話している様子だけど...簡単に入れる空気ではない。

そのままドアの前に座って、話が終わるのを待つことにした。

多分、5分は経ったはず。

チラッと様子を見ると、まだ何かを話していて。

まあ、今日は何も無いし気長に待つか...と再び座り込むと、隣に影ができた。

横を見ると、影の招待は目黒くんで。

ポケットからスマホを取りだし、何かをしている。

目［なにしてんの？］

メモ機能に、そう文字が打たれていた。

私は目黒くんのスマホを借りて、返事をする

［教室に辰哉と同じクラスの子がいて。
忘れ物したから入りたいんだけど、入りずらくて...待ってる状態］

目［そういうことね。
じゃあ、俺も一緒に待っていい？］

［うん、いいよ］

一緒に待つ、と言っても何かを話すわけでもなくて。

ただただ、二人が教室から出てくるのをひたすら待った。

更に5分ほど経過して顔を上げると、偶然にもそのタイミングで、同じクラスの子が教室を飛び出して行った。

深「振ったらビンタされた。笑」

その後教室から出てきた辰哉は、多分だけどこう言った。

"大丈夫...？ほっぺた、すごい腫れてる..."

深 "大丈夫だから、Aは心配すんな"

そうやって自分のことは二の次なのも、辰哉らしい。