afterstory＃6 ページ28
「...どう？」
スマホの画面を見て、固まっている蓮
覗き込むと、'合格'の文字
「れん...っ！！！！」
目「...っ」
手を離して抱きつくと、ようやく実感が湧いてきたのか、ぽろぽろと涙を流す蓮
目「よかっ...よかった...っ」
「よかった、ほんとに...」
私の目からも涙が出てきて、しばらく二人で泣き合った。
.
.
目「この後講義ある？」
「うん、次で終わりだけどね」
目「...その後、空いてる？」
「空いてる、よ」
目「じゃあ、お泊まりしよう？」
「...ん」
晴れて私と蓮は大学生になった。
学部は違うし、講義の数も違うけど。
なるべく、一緒に行って一緒に帰るようにしている。
目「終わる頃に正門で待ってる」
「ありがと、分かった」
大体私の方がコマが多くて、蓮を待たせている。
先に帰っていいよって言ってるのに一緒に帰りたいから、っていつも待っていてくれてるんだ。
「じゃあ、行ってくる」
目「ん、またね」
腕時計を確認すると、思っていたよりも時間がギリギリで、私は教室まで走った。
.
「お待たせ...っ！」
目「んーん、全然待ってないよ
じゃ、行こっか」
嘘だ、額にちょっと汗かいてる。
それに、今日の講義は早く終わったりすることが多いから、その事を分かってて、蓮はかなり前から待っていてくれたんだ。
どこまでも優しすぎる蓮に申し訳ない...
目「Aは余計なこと考えないでね？」
「余計なこと、って？」
目「まー、色々？」
「なに、色々って笑」
それに、勘が鋭いのは高校生の時から変わっていない。
いつも、私が何を考えているのか、蓮は分かっているんだ。
.
「ねえ、私、着替え持って来てないよ」
目「家に取りに帰る？」
「...いや、いいや」
目「なんだそれ笑」
手は繋いだまま、蓮は背を丸めた。
私の耳元に顔を寄せて、
それって、俺の服着たいから？
なんて言ってくる。
...確かに、蓮の服ってどれも大きいから、ブカブカなんだよね。
だから、蓮に包まれてる感じがして...
私はそれが好きで、蓮の服を借りることが多かった。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2020年12月6日 14時
