学年一モテる目黒くんと、私。【黒】 (ページ26)

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afterstory＃4 ページ26

そのまま蓮の家に向かう。

何度かお家にお邪魔したことがあるから、大丈夫なはず。

路地を通って、なんとかついた。

閑静な住宅街の中にある、蓮の家。

インターホンを鳴らすと、出てきたのは蓮のお母さん

事前に来ることは伝えておいたから、驚かれることも無く通してもらえた。

蓮の部屋のドアをノックして、ドアを開けた。

ノックに気づいたのか、こちらを向いている蓮

「...ひさ、しぶり」

目「え、声...」

初めて聞いた、蓮の声

低くて、だけど優しい声だ。

目「なんで？ねえっ、なんで...っ」

蓮が何を言ったのか、イマイチ聞き取れなかった。

耳が聞こえるようになったとはいえ、少しだけだし、雑音も多い。

"治療して少しだけ聞こえるようになった
けど、雑音は多いしちゃんと聞き取れるわけでもないから..."

まだ、完全に話せるわけでもないし。

やっぱり、慣れてる手話の方がいい、とは思う。

しばらく固まっていた蓮はハッとなって、席を立った。

私の前まで来て、ぎゅっと抱きしめられる

目「久しぶり...」

蓮の声は、落ち着くなぁ...

低いだけじゃなくて、優しさもあって、落ち着きもある。

私も蓮に応えるように、腕を蓮の背中に回した。

.

.

会わない間にあった出来事を、蓮に話した。

治療をして、聞こえるようにするトレーニングをしていること。
新しい学校には適度に通っていること。

何かを話す度に相槌を打ってくれて、真摯に聞いてくれてるんだな、って感じる。

目 "で、今日は俺がAの方に行くつもりで..."

"受験あるのに来てもらうのは悪いなって思って、せっかくならサプライズで来よう！って。
あ、蓮のお母さんには事前に伝えてあるから大丈夫だよ"

目 "いや、お母さんの心配してるわけじゃないんだけど...
俺が会いに行きたかったのに"

"だめだよ、何かあったら大変だし。
それに、ちゃんと外出許可得て来たから、何か言われることもない。心配ないよ"

目 "...まあ、そうだけどさ。
あと、会いに来てくれてありがと、
めっちゃ嬉しい"

"...私、も"

未だに素直になれないの？笑

って言われたけど、仕方ないじゃん。

...恥ずかしいんだから。