学年一モテる目黒くんと、私。【黒】 (ページ12)

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＃12 ページ12

目黒くんの腕を離して、猛ダッシュで違う階段まで急ぐ。

後ろなんて振り返らずに、ただただ前だけを見て走る。

下駄箱で靴を履き替えている途中、再び目黒くんに捕まった。

目「...待ってよ」

「...帰る、から」

目「なんで？俺、さ...」

もう、目黒くんの話なんて聞きたくなかった。

「思わせぶりなこと、しないでよ！」

早口だったから、目黒くんがちゃんと理解出来たかは分からない。

目黒くんが何かを言おうとして口を開こうとする前に、私は正門まで走り出した。

ある程度まで走って逃げて、息を整える。

久々に走ったから、体力は限界。

私は、後ろをチラチラと振り返りながら、駅までの道を歩いた。

.

.

"もう、どうすればいいか分かんない"

そのまま家に帰るのもあれだったから、辰哉の家に寄ることにした。

私より先に帰ってたし、絶対家にいるだろうな～って。

来てみたら、正解だった。

深 "どーした、何があったか言ってみ？"

"目黒くんがキスしてるところを見たの
それで、気づいた目黒くんが追いかけてきて。
振り切ったのに、また追いかけてきた。
もう、目黒くんが何をしたいのか、全く分かんない..."

私は何かある度、辰哉に相談することにしている。

辰哉はどんな話でもちゃんと聞いてくれるし、ちゃんとアドバイスもしてくれる。

さっくんにはごめんだけど、こういうことで頼りになるのは辰哉だけだ。

深 "へー、めめがね～..."

"結さんと付き合ってるのに、だよ？
なんで追いかけてきたんだろ"

深 "...誤解を解きたかったんじゃない？"

"誤解？？誤解することなんて何にもないよ？"

深 "まあ、めめもめめなりの考えがあるんだろ"

そのうち分かるよ、と言って私の頭をぽんぽん、と撫でた辰哉

分かんないから相談してるのに...もう。

"私、帰る"

深 "え？早くね？もうちょっといてよ"

"勉強しないといけないし、ね？
私たち、来年受験生なんだから"

深 "まあ、そうだけどさ"

"じゃあ、また明日"

勝手に来ておいてあれだけど、何処か納得いかなかった。

辰哉に相談したら、もっといい答えが返ってくると思ってたのにな