＃28 ページ28
深「え、めっちゃ綺麗になった」
「物、少ないですね」
深「まーね、一人暮らしだしそんなに必要なもんとかないから」
30分くらいで片付いた辰哉さんの部屋は、物は少なめでシンプルだった。
深「...ま、部屋は綺麗になったとこだし、今からはAとの時間」
「っ」
深「...初めて？」
嘘つく必要、なんてないよね
...でも、言ったら面倒だって思われないかな
深「隠さなくていいから、ね？」
辰哉さんのその優しい声に、気づいたらポロッと言葉が出ていた
「...初めて、だよ」
深「そっかそっか、怖い？」
「正直...、」
深「いやだったら途中でやめるし、無理はしないでね」
「っうん」
そのまま寝室らしき部屋に連れて行かれて、優しくキスをしながらベッドに押し倒された
「辰哉さ...っ」
深「ん？」
「ぎゅーって、して下さい...」
深「ん、いーよ」
一度起き上がって、優しく抱きしめられる
深「恥ずかしい？怖い？」
「...恥ずかしい、し、怖い
でも、辰哉さんと結ばれたい...」
深「っ、そういうのがさ、ダメなんだって」
「そういうの、って？」
深「あーもう...
頑張って抑えてんのに...」
ああ〜...と何かを堪えている辰哉さん
でも、無理にはしてこない
大切にされてるんだな、こういう所でもって思う
深「Aは、最後までしたい？」
「...したい」
深「俺が初めてで後悔しない？」
「しない、よ
むしろ、初めては辰哉さんがいい」
深「...俺、何言われても止めらんねぇかも」
「...止めないで？」
もう、ここまで来たら戻れないから。
深「泣いても最後までするよ？」
「...うん、いいよ」
深「じゃ、遠慮なく...」
その言葉を合図に、初めての甘い夜が始まった。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2021年1月3日 14時
