＃ ページ38
阿「ありがとね、また何かお礼する」
目「なんにもいらないよ、仕事頑張ってね」
阿「うんー！んじゃ、また明日！」
阿部ちゃんの姿が見えなくなるまで見送ってから、車は出発した。
目「俺、やっぱりAのこと好きだわ」
「いきなりどうしたの笑」
目「ああやって人にグイグイいけるところ。
俺もそういうタイプだけど、Aはもっといってるなぁって」
「そう？」
目「うん、そういうところも好きだなって」
これは、お褒めの言葉として受け取っていいのかな。
...とりあえずはそういう事にしておこう。
「ちなみに、今どこに向かってます？」
明らかに、家がある方向ではない。
目「...ホテル」
「え？ラブホ？」
目「ぶはっ笑 ちげえよ笑笑」
私の言った言葉が余程面白かったのだろう、ずっと肩を揺らして笑っている。
「一瞬、蓮くんってそういう趣味あるんだ、って思った」
目「ないよ笑 ていうか、そういう趣味ってどういうことなの」
「んー...したいから付き合ったり。
自分が満たされることしか考えてない人...的な」
説明難しい...
私が言いたいのは、やる為に付き合って飽きたら捨てて...みたいなことなんだけどな。
目「それなら、とっくの前にAと別れてるよ」
「分かんないよ？もしかしたら今からやり捨てされるかもしれないし」
あーもう、また面倒臭い彼女出ちゃってるよ。
目「俺は、そんな生半可な気持ちでAを好きになった訳じゃないし付き合ってもない。
心からAのことが好きだから。」
「...それは、どうも」
目「え、なに、照れてる？笑」
また肩を揺らして笑っている蓮くん
何がそんなに面白いんだろう...
こっちは恥ずかしい思いをしてるのに。
「ちなみに、なんでホテル？」
目「それは着いてからのお楽しみ」
「...けち」
目「秘密の方がワクワクするでしょ？」
「まあ、そうだけどさ...」
今、車が走ってる場所...
高級ホテルがいっぱいあるところだし。
なんとなく、想像がつく。
.
「ここ？」
目「うん」
サッと運転席から降りたと思えば、蓮くんが助手席のドアを開けてくれた。
差し出された大好きな手に、自分の手を重ねると、ぎゅ、と握られる。
そのまま、私たちはホテルの中に入って行った
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2020年11月15日 14時
