1001号室、あなたの隣【黒】 (ページ30)

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＃二人とも、おめでとうページ30

海外に渡って、約半年が経った。

「はー...疲れた...」

私が今住んでいるのは、日本でいう賃貸マンション。
会社側が生活費とか全て出してくれてるから、お金の使い道は食費のみ。
特に欲しい物もなく、ほぼ貯金している感じだ。

地面に座ってスマホを取り出し、某アプリを開けると、Snow Manの文字。

タップすると、その記事の見出しには

"Snow Man・SixTONES同時デビュー決定！"とのこと。

「蓮くん...っ」

今すぐ電話したくなったけど、留まった。
連絡はしない、そう決めたのは私だ。

「...でも、阿部ちゃんには連絡していいよね」

連絡しないって決めた相手は蓮くんだけだから、大学時代の友達とは連絡を取っている。

「蓮くん、ごめんね。本当は一番に言いたかったけど...」

阿部ちゃんだって、大切な同期だ。

.

阿『えっと、あの、さ、え？』

『もしもし、久しぶり』

阿『久しぶり...ってか、俺とは連絡していいの？』

どうやら、蓮くんと連絡しないと決めたことは、阿部ちゃんに伝わっているらしい。

『阿部ちゃんとは連絡しないって決めてないから。
...阿部ちゃん、デビューおめでとう』

阿『そっちにも記事出てるんだ、ありがとう』

『うん。本当はね、蓮くんにも言いたいけど...言えないから。
蓮、デビューおめでとうって言っといてくれない？』

阿『...いいの？連絡しないって決めたんじゃ』

『ほんと、自分勝手だって分かってるけど、
どうしても、今、言いたいから。お願い...』

阿『Aのお願いは断れないからなぁ...分かった、伝えとくね』

本当に阿部ちゃんは優しいなぁ。
私の我儘まで聞いてくれるなんて、どこまで優男なんだ。