1001号室、あなたの隣【黒】 (ページ28)

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＃ページ28

『えっと...ね、あともう1つ言いたいことがあるの』

阿『うん？』

『英語...教えてほしいです』

阿『英語？あ～、そういうことね！』

勉強が得意な阿部ちゃんだったら英語もできるだろう、と思い教えてもらうことにした。

私も阿部ちゃんと同じ学科出身だけど、英語だけは全くできない。
模試でも本番でもボロボロの点数だったくらい。

阿『俺に出来ることがあればなんでも言って！』

『頼もしい...ありがとう...』

阿『じゃあ、切るね？
なんか、目黒のオーラが凄そうだからさ』

『え、うん！また...』

電話を終えて後ろを振り向くと、ムスッとした顔の蓮くん

「いや待って、なんでいるの」

目「終わった？」

「うん、って。なんでいるの」

目「長い、俺との時間なのに」

「ごめん、じゃなくてさ！！いつ来たの」

目「さっき、英語教えてほしいって言った時からいた」

本当にさっき、だった。

目「はい、俺を怒らした罰ね」

「ちょっ、待って...」

目「待たない、今日は優しく出来ないから」

寝室に連れて行かれると同時に、今日は寝れないやつだなぁ...と悟ってしまった。

...明日早朝出勤なんだけど、起きれるかな
なんて言っても今の蓮くんには通用しないか...

.

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.

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目「忘れ物ない？」

「ない！大丈夫！
何か忘れてたら向こうで買うし、大丈夫だよ」

目「あ～本気で心配」

「なんで心配なの笑英語は日常会話程度に話せるようになったし大丈夫だよ」

いよいよ、海外に旅立つ日がやってきた。

長いようで短かった3ヶ月
蓮くんとたくさん出かけたし、たくさんつまらないこともした。
一日に5回以上も愛を確かめ合った日だってあった。

私にとって、全てが、かけがえのない宝物で。

目「じゃあ、出発するよ」

「お願いします」

空港までは、蓮くんが車で送ってくれることになっている。
そこからは会社の人と合流して...という感じだ。

しばらく帰って来れないために蓮くんの顔と、景色とをこの目にしっかり焼き付けた。