1001号室、あなたの隣【黒】 (ページ25)

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＃ページ25

目「A、おはよ」

「おはよ～」

無事(？)付き合うことになった私たちは、どちらかの家に泊まることが多くなった。

今日は、蓮くんの家でお泊まりだ。
お泊まり...と言っても、自分の家は隣だけどね。

目「腰大丈夫？」

「ん、大丈夫」

そういうことをした翌朝、蓮くんは必ず腰が痛くないか聞いてくる。
そのさり気ない心配も、蓮くんらしい。

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「海だ～！！！入れないけど！！」

目「まだ冬だからね笑」

久しぶりに予定が合ったから、デートをすることになった。
私の要望で、海に行きたいと。

夏になってからでもいいんじゃない？って言われたけど、どうしても来たかったんだ。

目「...夏じゃなくてよかったかも」

「...なんで？」

目「Aの水着姿、他の人に見られる心配がない」

「大丈夫だって、私の水着姿なんか需要ないから！」

それに、ぽっちゃり系だから水着なんて絶対無理。

初めて蓮くんが意識ある時にした時だって、中々服を脱げなかったし。
今になって、ようやく慣れてきたけど...ね。

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砂浜に二人並んで座って、夕日を眺める。

「ね～、蓮くん～」

目「ん～？」

「今後さ～私が何を言い出しても受け止めてくれる～？」

目「それは内容によるかな～」

「え～蓮くんならなんでも受け止めてくれると思ってたんだけどな～」

目「うそうそ、なんでも受け止めるよ」

蓮くんは、私が何を言おうとしてるのか、分かってるんだろうな。

ごめんね、蓮くんにばっかり辛い思いさせて。

「...そっか、ありがと」

涙が出そうになったけど、我慢した。
辛いのは私じゃなくて、蓮くんだから。

目「俺、Aにはさ、自分の好きなことをやってほしいと思ってるよ。それが離れた場所ですることでもさ。Aのしたいこと、やりたいこと。全部、叶えてきてよ」

「...うん」

再び涙が出そうになったけど、なんとか抑えた。
けど、蓮くんがそっと私を抱き寄せて、ぽんぽん、と頭を撫でてくれた。

その手があまりにも優しくて、私の目から一筋の涙が零れた。