1001号室、あなたの隣【黒】 (ページ20)

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＃ページ20

「...ごめん、知らなかった」

私のことを好きって素振り、ひとつも無かったのに。

阿「まあ、最近になってアピール始めたかな～
例えば、昼ご飯奢ったりね？」

「あ、あの時の奢りはアピールだったの？」

阿「そうだよ～でもAは気づいてなかったよね笑」

「今日は優しい日なんだな～、としか思ってなかった...」

阿部ちゃん、ごめん。
本当に気づいてなかった。

阿「返事は今すぐに、とは言わないから考えてほしいな」

「...うん、分かった」

阿「じゃ、ご飯来たし食べよっか」

「うん」

夜ご飯はめちゃめちゃ豪華で尚且つ美味しくて。
大好きな海鮮もあったし、最高だった。

「美味しかった...」

阿「ね！幸せ～」

ご飯を食べ終わり、のんびりテレビを見ていると目黒くんからの着信。

「ごめん、ちょっと外すね」

阿「ん」

部屋を出て、目黒くんからの着信を取った

目『もしもし』

『もしもし、どうしたの？』

目『声、聞きたくなった』

『もう？笑早いよ笑笑』

その上、口調からも寂しいんだな、って伝わってくる。

目『...ねえ、なんかあった？』

『っえ？ううん、何も無いよ』

目『嘘だ、何か隠してるでしょ』

何も無かった、と言えばもちろん嘘になる。
けど、これを話して阿部ちゃんと目黒くんの関係性が悪くなったら...
そう考えるとグループにも支障が出るだろうし、なるべく言いたくない。

目『俺には言えないこと？』

『...言いづらい』

目『そっか』

少し、落ち込んだ口調になった。

...ってあれ、なんで私、ちょっと悲しくなってるの
目黒くんを傷つけたのは、私の方なのに。
自分の考えで、目黒くんを傷つけちゃったのに。

『っあ、目黒くんを信頼してないわけじゃないよ？むしろ、信頼してるし...
えっと、なんていうの、その...』

目『めっちゃテンパるじゃん笑
そんなに弁解したかったの？笑
俺に嫌われたくなくて？笑』

『いや、そんなんじゃ...』

ない...はず...。
うん、、、違う...はずなんだけど。