＃ ページ17
集合場所に向かうと、阿部ちゃんはまだ来ていなくて。
壁にもたれて、スマホを触っていると聞き慣れた声がした。
阿「おはよ！ごめん遅れた！」
「おはよう〜！そんなことないよ、私もさっき来たばっかりだし」
阿「本っ当にごめん！！
...俺さ、楽しみすぎて寝坊しちゃったんだよ笑」
「実は私も寝坊しかけた...笑」
阿「まじ！？笑 やっぱ気合うんだね笑」
「どういう気なのそれは笑」
阿「...分かんない。笑」
あーやっぱり阿部ちゃんといると楽しいな、って思う。
安心するし、気を使わないというか。
何言っても全て受け止めて返してくれるから、なんでも言える相手なんだよね。
「今回の旅行代は...」
阿「俺の自腹です」
「待ってそれは駄目だよ、私にも払わせて」
阿「払わせないよ。というか俺が行こうって誘ったんだからAは財布出さないで、いい？」
「っでも」
阿「じゃあ、誕生日プレゼントにさせて。
お祝いできてなかったから。
...これでどう？」
「...わかった」
ここまで来たら阿部ちゃんは譲らないって分かってるから、仕方なく降参した。
...確かに、今年は誕生日プレゼントもらってなかったなぁ、と今更思う。
毎年お互いの誕生日にはプレゼントをあげているから、ないのはむしろ違和感だった。
...誕生日プレゼントが旅行って、彼氏かよって感じだけど。笑
たまにはこういうのもいいのかもしれない。
.
.
「ついたー！！」
阿「箱根久しぶりだな〜...Aは？いつぶり？」
「私も久しぶりだなぁ...学生以来来てないかも。
あ、阿部ちゃんと来たのが最後かな？」
前にも阿部ちゃんと二人で箱根旅行に来たことがある。
あの時は大学生で、今更ながら若かったんだな〜って。笑
早いながらも年の衰えを感じてしまう。
阿「てことは5年くらい前？結構前だな〜」
「あの時は阿部ちゃんがスマホなくして大変だったんだよね笑 結局見つかんなくてさ」
阿「その後両親にめっちゃ怒られた記憶がある笑」
「そもそもなんでスマホをなくしたの笑
必要なものなのに消えるものなの？笑」
阿「気づいたら消えてるんだよね〜自分でも気づいてないからそれが一番怖い」
阿部ちゃんとは色んなところに行ってるからそれなりに思い出も多いんだよね。
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作者名：こようぃん
| 作成日時：2020年11月15日 14時
