10時 ページ10
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それから、俺はより一層勉強をした
数学はさらに。
真希と��音楽もできて、勉強のできる大学��を選んで、ただひたすらにそこを目指した。
引退ライブにも真希きてくれた。
そして俺は高校三年になった。
_____放課後、家路を急ぐ同級生たちを数学準備室の窓から眺めていた。
あいつらをこうやって見るのも、もう何回目か…
真希「…翔汰くん、」
小柳「ん？」
真希「ん？じゃないのよ、家だと集中できないからってここで勉強するって言ったのは誰？？」
真希今日やった数学の小テストを採点しながら、顔もあげずに小言を言う。
いや、俺が悪いんだけどな。
小柳「日課だから仕方ない」
真希「勉強を日課にしてください」
小柳「冗談通じない女モテないよ」
真希「、っな！関係ない！」
小柳「………」
なによ！と言うのを聞こえないふりして
俺をまた机に向かう。
『真希先生』
「小柳くん」
が
『真希』
「翔汰くん」
になるのはそこまで時間がかからなかった。
放課後こうして俺が自習している横で真希が仕事をする、が当たり前になってきた。
強引に俺が数学を教えてもらいにきて、そのままズルズルと毎日粘って、今やっとこうしている。
家で勉強すると集中できない、なんてあまりにも明白な嘘。
本当は、
小柳「真希、」
真希「せんせーをつけなさい、せんせーを」
小柳「真希ちゃん、」
真希「きいてますかー？」
小柳「……ここ、わからん」
あなたと少しでも一緒にいたいだけ。
有限のこの時に、少しでも。
言いたい言葉は言えないまま
受験日を迎えた。
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作者名：なぁ | 作成日時：2019年9月12日 2時
