3時 ページ3
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とも「小柳さーん！部活ー」
教室のドアから、ともやが呼んでいた。
やっと、この時間。部活の時間。音楽に浸れる、時間。
小柳「あいよぅー」
大して中身の入っていないリュックを背負って、ともやのもとに向かおうとすると
真希「ちょっと！小柳くん！」
背負ったばかりのリュックを後ろからグイッと掴まれて、教室に引き戻される。
小柳「なに？なに？部活遅れちゃ…」
真希「なにじゃないでしょ？？この前のプリントは？？」
小柳「いまぁ？？はぁ…」
真希「提出期限一週間すぎてるんだよ？…まさか書いてないの…？」
今にも小言を言ってきそうな顔つきを見て、やれやれ、と思う。
小柳「あるある。…はい」
先生が持っていたバインダーの上に置いたのは
��進路希望調査��
小柳「じゃ」
真希「なんだやってきてるじゃない…違う！真っ白だ！！ちょっと小柳くん！！」
小柳「ごめん！今日文化祭のオーディションなんだわぁ？？」
今度は捕まらないうちに、廊下へ駆け出した。
真希「待ちなさい！まず、敬語！」
教室のドアからを顔を出してこっちに向かって叫んでる。
小柳「まずい、ともや、走るぞ」
とも「はぁ？なん、お前？先生に目つけられてんの？」
小柳「いいから！とりあえず！」
バタバタを廊下を走って外階段を駆け下りる。
後ろから先生の声が聞こえなくなるのを確かめて、ゆっくりと歩き出した。
とも「はぁ…はぁ…俺、ベース、背負ってんすけど…」
小柳「…それは本当にごめん」
とも「あ…あれか…あの人、新副担任？」
小柳「そ、真希せんせー」
長尾 真希
23歳
新卒
ここに真希が来て2週間、わかったことは
とにかく底抜けに明るい。
そして、その元気さとは裏腹に、凛とした顔立ちにファンも多いとか、なんとか。
俺もそのファンの中の一人なんだけど
ファン、とかじゃなくなってるのは、薄々気づいてて。
でも、気づかないようにしたりして。
とも「真希ちゃん、可愛いよなぁって…」
小柳「あ？真希、ちゃん？」
とも「ってにっちも言ってた……なにキレてんの？」
小柳「は？キレてねぇ」
とも「キレてんじゃん」
だる、と一言悪口を言われると、ともやはそのまま、おつかれっすーと、防音扉(にちゃんとなってるかはわからない)をガチャリと開けて部室に入った。
可愛い
本当に。
あの笑顔。
わかってるよ、やばいって、これ以上は
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作者名：なぁ | 作成日時：2019年9月12日 2時
