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��story.27�� ページ32
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見なくてもわかる。皆から、怪訝な視線を向けられてる事が。
いつかは、言わなければならないと思っていた。特に紗菜には。
「オレは…………FBI捜査官や」
妃夏「っ！FBIて…」
力哉「お前…」
紗菜「お兄…？嘘…だよね？」
紗菜が、震える手でAの袖を掴んだ。目に涙を溜めて。
紗菜「FBI……て……嘘………だよね…？」
「…ごめん。紗菜。嘘やないで」
FBI手帳を見せると、更に目を見開いた紗菜の瞳から、涙が溢れた。泣かせたかった訳とちゃうんやけどな。
ただひたすら申し訳ない。
紗菜「お兄……FBI…には………ならんて…言うて、た…やんか……」
「そうやな」
妃夏「どういう事か、ちゃんと説明しぃや！」
「……今は、そんな暇無いねん。お前達、絶対ここから動くなよ」
紗菜の手をそっと離して、今度こそ足を踏み出した。
あの4人に嫌われても良い。生きていてくれればそれで。
紗菜「お兄！！死んだら許さへんからな！無事に帰って来て、説明してや！！」
「分かっとる」
ひらっと片手を上げ、オレは走った。
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作者名：蠱闇 | 作成日時：2022年6月9日 3時
