will14 ページ14
*
「………………………」
「そらるさん、時計見すぎ」
「、え」
「りこちゃんが帰ってこないからって心配しすぎですよ。まだ17時だし、心配しなくてもちゃんと帰ってきますって。」
まふまふに言われて自分がしきりに部屋の時計を見ていたらしいことに気付いた。完全に無意識だったけれど。
俺はりこからうちに来る前の家庭状況を聞いているから、余計に気になって仕方ないのだ。大丈夫だろうか、ちゃんと帰ってきてくれるだろうか。
その後もまふまふに何度も注意されて約一時間後、玄関の辺りで物音がした。
「あ、りこちゃん帰ってきたんじゃないですか?ほら、こんなに待ってたんだから出迎えてあげてくださいよ」
ニヤニヤしながらまふまふに部屋を追い出され、何故か音のしなくなったドアを開ければ、一つの影がふらついた。
「えっ、と…りこ?」
『…ご、めん、なさい』
ギュッと目をつぶり俺にもたれ掛かったりこの身体はとても熱くて、殆ど意識もないのに彼女はずっと「ごめんなさい」と、魘されるように呟いている。
「待って、すぐに部屋連れて行くから。」
こちらの物音に普通ではないと察したのか、リビングから出てきたまふまふがぎょっとしていた。
「どうしたんですか!!え、りこちゃん大丈夫なの!?」
「ちょ、まふ声大きい、うるさい。俺は部屋に連れて行くから、まふは荷物中に持って入ってくれない?」
「あ、はい。わかりました。」
今日、久しぶりに親戚に会ってどうだったかとか、聞きたいことは沢山あったけれどそれどころじゃなくて。
きっと不安や緊張で熱がぶり返したのだろう。何でもっとちゃんと、家を出るときに体調を気遣えなかったのだろうか。
「……くそ、」
やるせない持って行き場のない気持ちに苛立ちつつ、軽すぎる彼女の体を抱えながら部屋へと急いだ。
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羅涙冬。~らるふ~ - 更新待ってます!ゆっくりでいいので頑張ってください!応援してます! (2018年8月9日 16時) (レス) id: 5555e1981a (このIDを非表示/違反報告)
ガルボ(プロフ) - 凪咲さん» コメントありがとうございます! これからも応援是非宜しくお願いします(*´∀`) (2017年10月2日 23時) (レス) id: 490bebaed7 (このIDを非表示/違反報告)
凪咲 - めちゃくちゃ面白いです!頑張ってください! (2017年10月1日 13時) (レス) id: 6d1da23217 (このIDを非表示/違反報告)
ガルボ(プロフ) - 亜麻都さん» ありがとうございます!! これからも楽しんでもらえるように頑張ります(*´∀`)!! (2017年9月24日 23時) (レス) id: 490bebaed7 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻都(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!これからも楽しみにしてます!!!!更新頑張ってください!!!!ヽ(・∀・)ノ (2017年9月24日 13時) (レス) id: 4c7f3da984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニナ | 作成日時:2017年9月24日 1時