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will11 ページ11

「荷物取りに行く前にさ、りこ、時間あるならあたしに付き合ってくれない?駅前に新しいカフェ出来たんだ」



切れ長の目を細めて、凛さんは私の手を引いた。




引き取られた親戚の家で、唯一私に優しくしてくれたのが凛さんだった。血の繋がりのない、ただの引き取られた私を本当の妹のように可愛がってくれた。


歳が4つ上の凛さんは私にとって、大人な存在だった。気の強い凛さんは、高校時代荒れていて家に帰ってこない時もあった。だけど、うちに帰ってきたときは「おぉ〜りこ! 一緒遊び行くか?」そう言ってバイクの後ろに私を乗せて色々なところへ連れて行ってくれた。


高校生なのに、凛さんから香ってくるタバコのにおいはどことなく私を安心させてくれるにおいだった。いまも、あの頃と変わらず香るタバコの臭いに少し安心する。







「……ふーん、じゃあいまはその彼方さんって人のところにいるんだ。」


『うん。…凄く、優しい人なんだ。』


「ふっ」


私の顔をみて笑った凛さん。私今なにか変なこと言ったっけ?『なに、』と、じいっと凛さんをみれば頼んだアイスコーヒーを飲みながらまた微笑んだ。


「いや、りこがそんな柔らかい顔できるようになったんだなって。あたし嬉しくなっちゃった」


彼方さんのこと、本当に好きなんだねえ。そう言われて何だか恥ずかしくなる。



「付き合ってんの?彼方さんと」

『っはぁ!?』


驚きのあまり中々に大きな声が出てしまい、あわあわと焦る私を見て凛さんはまたケラケラと愉快そうに笑う


『付き合うとか、そんなんじゃないし…』


「あんたの話聞いてると、案外時間の問題だと思うけどね?」



ふふん、と嬉しそうにソーサーをくるくる回すこの人はきっと口では勝てないから私はそれ以上何も言わないことにした。









「でもあたし、本気で心配したんだから。母さんからりこが荷物まとめて出ていったって話聞いて急いで家に帰ってももう荷物殆どなかったんだもん、出ていくんならちゃんと連絡よこしなよね。」



『…ごめんなさい、余計な心配かけたくなかったから。』



「まーたあんたはそうやって人の事ばっかり気にして!なんの為のあたしなのよ。」



そう言ってまた、くしゃりと私の髪を乱した。





「奢りよ、あたしが行きたいって言って付いてこさせたんだし。」そう言って私がお手洗いに言っている間に彼女はさらりと会計を済ませてしまっていた。

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羅涙冬。~らるふ~ - 更新待ってます!ゆっくりでいいので頑張ってください!応援してます! (2018年8月9日 16時) (レス) id: 5555e1981a (このIDを非表示/違反報告)
ガルボ(プロフ) - 凪咲さん» コメントありがとうございます! これからも応援是非宜しくお願いします(*´∀`) (2017年10月2日 23時) (レス) id: 490bebaed7 (このIDを非表示/違反報告)
凪咲 - めちゃくちゃ面白いです!頑張ってください! (2017年10月1日 13時) (レス) id: 6d1da23217 (このIDを非表示/違反報告)
ガルボ(プロフ) - 亜麻都さん» ありがとうございます!! これからも楽しんでもらえるように頑張ります(*´∀`)!! (2017年9月24日 23時) (レス) id: 490bebaed7 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻都(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!!これからも楽しみにしてます!!!!更新頑張ってください!!!!ヽ(・∀・)ノ (2017年9月24日 13時) (レス) id: 4c7f3da984 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニナ | 作成日時:2017年9月24日 1時

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