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たろ君の大きな目から、目が話せなくなって
ほんの数秒
動かないたろ君
ずい
「…！」
ずい
反して、
ぐんぐん近づいてくる緑のハート
ちょっと角張った形のまま
ずい…っ
え…ちょ、見えない
近い近い、たろ君が見えないから
カクカクした緑は、一丁前に蛍光灯のライトを反射して
キラキラ光る
目の前でくるりと回っ……?!
青…！
おま、待っ…ぶつかる……！
「……っ！！」
ひゅっと音もなく出てきた青と、たろ君の緑が正面衝突する…！
思わず目を瞑ると、
ぎゅっ
首に回る腕
背中で感じる、ふわふわの筋肉
じゃあ、ちょっと
「ワタクシも失礼しますね！」
うっは！
「A潰れちゃうよ、おまえ」
「…おっも…！」
暑い重い、いい匂い…！
向こうの方で、これ、ユーチューブショートに上げれんじゃね？って
こーち君の声が聞こえる
青と緑は、ぶつかったり離れたりを繰り返し
キラリキラリと光る
俺に抱きつくふたりは、わはわは笑う
…これ…俺知ってるよ…？
SixTONESは今日も平和ですってテロップでるやつ……
おなじみのBGMでさ…？
＊＊＊
トントン！
ガチャ
Aくん、まだいるー？
返事を待つでもなく、開けられたドア
老舗のスタッフさんが、俺達を見て
「……なに中？」
ホント仲いいね……
褒めてる…？
なんならちょっと引かれてない…？
A君
「合宿の代表ジャージ届いたから、届けに来たよ。」
凄いね、ホントに日本代表なんだねー
…あ、
「ありがとうございます。」
俺の声に合わせて樹の手が伸びて、青い袋を受け取った
腕の中の袋を一瞥すると、
どうする？とばかりに俺の方を見上げる
「樹君、持っててくれる…？」
「ん。」
こくんと頷いた桃色の頭は、俺から隠すように抱え直した
スタッフが意気揚々と持ってきた青い袋には、日本代表を象徴する八咫烏がドンと鎮座する。
手書きの文字で、大きく淡海Aと書かれていた。
あ、そうそう
「これも預かったよ。」
差し出された茶封筒には、一筆一筆くっきりと書かれた意志の強そうな文字で
森*保 一
…サッカー好きには有名な名前が印されている。
日本代表監督、その人だ。
スタッフはのんびりとした口調で
「車、下につけてるよー。」
そう言い残して、去っていく。
俺のアイドルとしてのリミットが迫っている。
また、サッカー選手に戻る時が近い。
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venjamin(プロフ) - はむはむさん» はむはむさん、コメントありがとうございます。ありがとうございます、恐縮です…！遅筆ですが、また覗きに来て下さい (2023年1月7日 18時) (
レス) id: d12149b604 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - こんにちは、はむはむです。めちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまいました！更新頑張ってください(^^) (2022年8月9日 21時) (レス) id: 2b371b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：venjamin | 作成日時：2022年2月5日 16時
