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抱えた樹君の体温が暖かい
軽すぎだろとか強く抱きつきすぎだとか、そういうことは置いておいて。
樹君が、俺の腕の中で力を抜いていくのが分かる
だんだん重くなる感覚に、俺の体も軋む
よっと…
慌てて抱え直すと、樹君は俺の肩に顎を乗せた
息を吸う度、彼の香水が強く香る
あぁ…
俺が一時しのぎの提案するって、バレてた…。
それでも、怒るでも呆れるでもなく
受け入れてくれた
そういう懐の深さ、樹君って感じする。
ありがとう樹君。
かっけぇな樹君。
青いハート、めちゃめちゃ元気に跳ねてるね、樹君…
…いやでも、樹君に惚れ惚れしてるだけじゃダメなのよ
中島君が嘘つきになっちゃう…!
「じゅり君。このままじゃ、中島君の立場が悪くなっちゃうし…どうしようか…?」
俺が問いかけても、
「…んーー?」
樹君は気だるげに声を出すだけ
これは…
自分で解決してみせろってことか…?
中島君を立てる方法……
あ
「明日のライブ、じゅり君と話をしなければよくない…?」
そうだよ!
直接、二人の会話がなければ問題ないよ…!
ライブ中だけだし、トークは7人でするし!
「ねぇ、じゅりく…うぉっ?!」
しまる…!首しまる…!!
驚いて樹君を降ろそうとしても、それはダメみたいで、長い腕がしがみつく。
ぎゅうと抱きつく樹君と、鏡越しに目があう。
とりあえず笑うと、ゆるんだ顔のままにらまれた。
どうして…
樹君は、以前から北斗君やジェシー君に甘絡みする。
それは、大我君に見せる顔とはまた違う。
なるほど、俺は二人と同じ枠に分類されるらしい。のっぽだからか…?
俺は樹君にしがみつかれたまま…
明日のライブどうすんだよ…
「…いーよ。」
困り果てていたら、樹君が話しだした
「Aお前、覚悟しろよ。」
え…?
「…覚悟…?」
なんの…?
理由もわからず、鏡越しの樹君を見つめる
…あ、こっち向いた
「ぜってー、俺の名前呼ばせてやる。」
…え?
え、ライブ中に…?
そしたら、俺、樹君呼び捨てしなきゃいけなくなっちゃう
「え、待っ「うるせー、ホテルまで送ってけ。」」
………怒らせた………!!?!
助けを求めてと三人を振り返ると、
三者三様。
複雑な顔をして俺を…いや、俺たちを見ていた。
「あ…助けてはくれない感じ…?」
ふっ
樹が軽く吹き出したのがわかる。笑いを堪えているのがお腹の振動で伝わった。
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venjamin(プロフ) - はむはむさん» はむはむさん、コメントありがとうございます。ありがとうございます、恐縮です…!遅筆ですが、また覗きに来て下さい (2023年1月7日 18時) (レス) id: d12149b604 (このIDを非表示/違反報告)
はむはむ(プロフ) - こんにちは、はむはむです。めちゃくちゃ面白くて一気に読んでしまいました!更新頑張ってください(^^) (2022年8月9日 21時) (レス) id: 2b371b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:venjamin | 作成日時:2022年2月5日 16時